「長年の夢を叶える」が起業のきっかけに
―会社紹介を含めたご経歴など自己紹介をお願いします。
馬場 慎一郎:
社会貢献活動家としても活動しており、Jリーグを目指すサッカーチームを立ち上げ、オーナー兼監督を務めています。
この取り組みは、私の長年の夢を具現化するもので、自らの情熱を追求することで、人生の充実感を得ています。サラリーマン時代に感じていた不毛な閉塞感から脱却し、残りの人生は、夢を追い求める決意でスタートしました。課題であったサッカーチームの資金の捻出のため、コーヒー事業を開始し、この収益をチームの運営資金に充てています。
―今までに立ち上げた起業 / 新規事業の内容を一つ教えてください。
馬場 慎一郎:
最近は、日本の労働人口減少と共生社会の実現のため、インドネシア専門の特定技能人材紹介事業「ALBATZ AGENT SERVICE」を設立しました。また、最近では、静岡県牧之原市の耕作放棄農園再生プロジェクトを通じて、インドネシアコーヒーの観光農園(カダトゥアン公国)を作ろうとしています。
その事業を立ち上げた背景(市場や時代の流れなど)を教えてください。
馬場 慎一郎:
サッカーチーム運営事業は、私の夢を実現するために始めたものです。そこに元々所属していた親友「ムハマド・ノキ・サトリア・プトラ」を通じて、インドネシア大使館に推薦され、私が経済協力部門のアンバサダーに任命されたことがきっかけでした。これがきっかけで、私は、インドネシアと日本との架け橋となりながら、夢であるサッカーチームの運営を始めることになったのです。
自ら行動を起こすことが「夢」を叶える秘訣
―どのように事業を展開し成功にまで至ったのか、成功要因を3つ教えてください。
馬場 慎一郎:
事業においては、商社での経験が大きな役割を果たしています。私は「もともとビジネスは王道を行く」というポリシーがありました。「堅実」を旨とし、卑しくも「浮利を追ってはならない」ことを心に決めています。「きな臭い人と感じた人」「信用を軽んじている人」「汚い言葉使いの人」とは、絶対にお付き合いしません。そういった商道徳をわきまえた上で、バリューチェーンを川上から川下まで見直し、BtoB市場で課題解決できる部分を見つけ、リスクを最小限に抑えながらビジネスをしています。
サッカーチーム事業では、決してまだ成功したとは言えませんが、夢を実現するために、恥を恐れずに自ら行動を起こしたこと、誰もが嫌がるような泥臭いことも臆せず地道に取り組み続けたこと、が、ホームタウンとなる横浜南部で存在を確立できた鍵になったと思います。
会社はメンバーが最重要
―事業を展開する中で、失敗と感じた出来事を3つ教えてください。
馬場 慎一郎:
スタートアップにおいては、ビジネスデベロップメントに全く造詣のないメンバーを集めてしまったことが大きな失敗でした。やはりビジネスの世界では、余計なプライドを捨てて、責任感を持って、実践できる仲間が集まらないと難しいですね。
また、今もサッカーチームの競技的な成績が芳しくなく、ファンやスポンサーとの共感性が得られていないことが、大きな課題となっています。スポーツの悲しい嵯峨です。1つ負けるだけで、選手は離れ、周囲からは批判を浴び、ひどい辱めに遭いますから。やめときゃ良かったと思うこともしばしばです。
堅実なビジネス展開が成功に導く
―最後に、これから起業 / 新規事業を立ち上げる方へのメッセージをお願いします。
馬場 慎一郎:
最近は「石橋は叩いても渡るな!」と言いたい。堅実なビジネス展開を心がけ、情熱だけではなく現実的な視点を持つことが大切です。副業からスタートし、資金を蓄えた後に本格的に事業を始めることをお勧めします。また、ビジネスモデルを定め、収益を生み出す流れと、手元のお金の使い方を間違えないことが成功への鍵だと思います。浮利を追わず、長く続けることを第一とすれば、かけた時間の分だけ稼ぐ力もついてくるのではないでしょうか。
編集後記
馬場 慎一郎(ばば しんいちろう) /ALBATZ株式会社の代表取締役。社会貢献とビジネスを両輪で回すことを目指し、様々な分野で活動している。多角的なビジョンと実行力により、新しい可能性を切り開き、多くの人々に影響を与えている。
馬場さんの経験から得られる教訓は、これからの起業家や経営者にとって非常に価値があり、夢を追い求め、社会に貢献することの大切さを教えてくれる。