世界の人口の3分の1を占めると言われているZ世代ですが、市場での存在感が増してきていてマーケター達の注目の的になっています。Z世代の特徴や価値観などから、どんな消費行動をするのかマーケティングを考える上で押さえておきたいポイントを解説していきます。
Z世代とは
Z世代(ジェネレーションZ)とは1990年後期から2010年代に生まれた世代を指す消費区分のことです。ソーシャルメディアやスマホ時代に育ってきたソーシャルネイティブの世代のことです。
Z世代には「将来を重視する」「現実的で実利を追い求める」「自分だけでなく私たちの視点で考える」といった価値観の持ち主が多く、実はお金に関してはシビアで貯蓄を重視したり、商品やサービスの購入ではコストパフォーマンスを重視したりする傾向があると言われています。SNSの利用が中心で、身近な人だけでなく有名人もフォローしている。SNSで繋がった人だとリアルで会うことに抵抗が少ない傾向があります。
ミレニアム世代との違い
インターネットが成長するのと一緒に育ってきたので情報リテラシーに長けているのが特徴です。Z世代はミレニアム世代の価値観をベースにしていますが、インターネットやデバイスが当たり前にある環境で成長しています。共通する価値観は「現在を重視する」「楽観的で理想を追い求める」「自分自身を大切にする」といったものが代表的と言われています。
消費行動では今の自分が理想的な体験・経験が出来るのであれば、その分お金を使うこともいとわないという傾向があります。
Z世代マーケティングが必要な理由
今後Z世代の社会への影響力は無視できない程になってきています。Z世代に向けたマーケティングが必要な理由を3つ解説していきます。
Z世代人口の増加
Z世代は世界の人口の3分の1で、およそ77億人を占めるまでに成長しておりすでに消費への影響力を十分に持っているため注目されています。今後も勢いは増しどんどん拡大していく見通しと言われています。
価値観が新しい
Z世代はネットを通して常に新しい情報をキャッチアップしており新しい価値観に敏感なので、これまでの世代とは違ったユニークな価値観を持っているという特徴があります。そのためこれまで行ってきた従来のマーケティング手法を取り続けるのは難しく、Z世代に向けた新しいマーケティング手法が求められているのです。
今後の消費の中心を担う社会進出の本格化
Z 世代の最年長は26歳前後とこれからの消費・労働力の中心を担う重要な世代であることから、企業のマーケティング活動においてZ世代の特徴や消費行動を理解する重要性は高まっています。
Z世代の特徴とは
Z世代とはソーシャルメディアやスマホ時代に育ってきた、ソーシャルネイティブの世代のことを指します。ここではZ世代の特徴を詳しく解説していきます。
デジタルネイティブである
Z世代は物心ついた時から身近にインターネットがある環境の中PC・タブレット・スマートフォンなどのデジタルデバイスに触れながら成長してきた世代です。情報の収集・勉強・買い物などにいたるまで、あらゆる行動をインターネットを活用して行っているのが特徴です。
そのためZ世代はデジタル・ネイティブと呼ばれていて、インターネットを通して膨大な情報を毎日吸収しているので、情報の確実性や信憑性などに対しても厳しい面があります。
ソーシャルネイティブである
デジタルネイティブのZ世代はSNSに明るく、あらゆるサービスを利用して複数のアカウントを器用に使いこなしています。LINE・Twitter・Instagram・facebook・TikTokなどのSNSと一緒に育った世代であり、他者との交流や情報発信に対してあまり抵抗がなく積極的な面があります。
特に近年ではショート動画を投稿できることで話題になったTikTokの利用者が多くなってきています。
発信力が高く誰もがインフルエンサーになりうる素質を持っている
幼い頃よりSNSが生活にあったZ世代はSNSを通して情報を発信することに抵抗が少なく、SNSで自分の意見や出来事を表現・発言することにも長けています。自分の経験や面白いことなどをシェアして共有し合うことが好きなZ世代は誰しもがインフルエンサーになりうる可能性を秘めているのが特徴です。
多様性への理解度が高い
インターネットを通じて日本のみならず海外の人と交流したり情報を取り入れたりする行動にも親しんでいることから、グローバル感覚が強く多様性を尊重する価値観を持つ世代でもあると言われています。
経済に対して堅実な金銭感覚を持ってる
バブル崩壊後の不況の中で生まれたリーマンショックを見て育ったZ世代は、堅実な金銭感覚をもっているのが特徴です。経済や将来の見通しに対してシビアな感覚を備えて貯蓄や節約に関心の高い人が多いのも特徴と言われています。
Z世代は基本的にインターネットを利用した情報検索能力も高いことから、複数の商品を比較して自分に適したものをお得に選ぶことができます。
消費者としてのZ世代の傾向
今後中心になってくるZ世代には消費者として3つの傾向があります。Z世代の消費者としての傾向を把握できれば効率的にマーケティングを実施できます。
体験を大切にする
Z世代は生まれながらにしてインターネットやサブスクリプションのサービスがあったため、物を所持することに対して執着しない傾向があります。物に対してよりも経験にお金を払うことが多く、将来のためになるものやユニークな経験ができるものを選ぶ人が多いようです。
貢献への意識が強い
Z世代はいわゆる推しに対して積極的にお金を使う傾向があり、好きなものに対しての貢献意識が強いと言われています。基本的には進んで消費を繰り返す世代ではないですが一度気に入ったら進んで投資していきます。
質の高い情報を求める
Z世代はリアルな情報をもとめる傾向が強く、あからさまな広告を毛嫌いすることがあります。SNSで具体的な口コミを調べることが多いため、純粋な評価や信頼性のあるインフルエンサーの意見を重視することが多いです。
Z世代マーケティングで重要なことは
Z世代のような特徴・価値観に対してマーケティングを施策を行うためにはどのようなことに気をつければいいか解説します。
商品・サービスの利用に意味をもたせて共感してもらう
商品やサービスそのものの機能、メリットではなくその商品やサービスを利用すること自体に意味を求める消費「イミ消費」が重要になってきます。商品やサービスの利用によって「健康維持」「社会問題解決」「環境保全」「地域復興」などの付加価値などを求める消費行動のことを指します。
インターネットでの口コミ
Z世代の多くはSNSやインターネットを使用して自分の欲しい商品またはサービスの情報を集めています。例えば新しい商品をどこで知るかというとInstagram・Twitter・ Facebook・YouTubeなどがほとんどで、SNSをきっかけに新しい商品やサービスを認知するユーザーが多くなってきている傾向にあります。
またオンラインでの接点を持つための施策も重要で、新しく知るきっかけになった商品やブランドはインターネット経由からの割合が高いです。中でもインターネットで情報を検索した時に実際に商品を使っている人や、サービスを利用している人の自然な口コミがあることは商品やブランドの良さを知ってもらえるため効果的なのとコンバージョンに繋がりやすくなるので非常に重要になっていきます。
インフルエンサーを積極的に取り入れる
インフルエンサー自体が好きだから商品を購入したという意見だけではなく、インフルエンサーの説明が分かりやすいから商品を購入したというZ世代が多いです。インフルエンサーのフォロワー数だけではなく、実際に商品またはサービスを利用してみての感想などその投稿の質も大きく関わってきます。Z世代が共感できるようなインフルエンサーを起用してZ世代目線で商品を紹介してもらうことで効果的なインフルエンサー施策を行うことができます。
多様なチャンネルでアプローチする
Z世代はInstagram・TikTok・YouTube・TwitterなどのSNSプラットフォームを目的に応じて使い分けている世代です。このプラットフォームではこのターゲット層にリーチできる、というよりそれそれのプラットフォームでターゲット層のユーザーがどんな目的で利用しているのかを起点にしてコミュニケーションの施策をとっていく必要があります。
買いやすいための導線設計
Z世代はインターネットを駆使して効率的に方法を探すことを重視していると言われています。そのため購入までの導線設計をわかりやすくしてZ世代にストレスを感じさせることなくすることが重要になってきます。
リアルを絡めた接点も重要
リアルでの接点への欲求も強いと言われているZ世代は、オンラインだけでは完結せずにオンラインからリアル、リアルからオンラインといった両方を絡めた施策を行っていくことも重要です。そこでZ世代の満足度を上げられればSNSの拡散力を利用して、他のZ世代にも認知してもらえるきっかけを作り出すことができます。
Z世代マーケティングの特徴と成功するまとめ
新たな特徴や価値観を持ったZ世代が社会進出を控えていることで、企業にはZ世代を対象にしたマーケティングが必要となってきていて、今までのマーケティング施策では通用しづらくなっています。Z世代は情報の感度が高い上に、体験を重要視する傾向があり、デジタルネイティブであるZ世代の新しい価値観や購買行動に対応していくには、まずZ世代の特徴や価値観を把握してマーケティング施策を打っていきましょう。
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