マネジメント上、よく出会う課題と解決法 解決に必要な能力についても解説

管理職やリーダーなどマネジメント担当者は、チームの様々な課題や問題に対処しなければなりません。よくある課題とその対処法を事前に知っておくことで、自信を持ってチームを率いることができますし、実際にトラブルが起こったときも、よほど予想外のものでない限り落ち着いて対応することができます。そこでこの記事では、マネジメント上よく出会う課題とその解決方法、そしてスムーズに解決するために日頃から鍛えておきたい能力やスキルなどについて取り上げます。

この記事でわかることは次のとおりです。

  • マネジメントによくある課題と解決方法
             
  • 課題解決に必要なマネジメント能力とは
目次

マネジメントによくある課題と解決方法

Business meeting concept. Group of businessperson in office. Presentation. Conference.

まず、よくある課題とその解決方法をご紹介しましょう。

生産性の低下

従業員の生産性が従来よりも低下した場合、それが複数の従業員であれ単一の従業員であれ、他のメンバーやチーム全体の目標達成に悪影響を与える可能性があります。その理由が本人のモチベーションにある場合は、1対1の面談などを通しモチベーションの向上に努めます。それ以外に原因があるのであれば、管理職は業務プロセスを当該社員、チーム全体、そして社内と順に点検し、弱点を発見したら効率改善のため見直しを図る必要があります。また従業員が既に何が問題か把握しているのであれば、状況を尋ね、業務フローの再構築など解決策を提示することができます。やみくもに責めたりはっぱをかけるのは、無意味です。

人員不足

どんなにチームメンバーが尽力していても、圧倒的に人員が足りていなければ仕事は回りません。業務量と人員のバランスを見極めるのも管理職のマネジメントです。新しいメンバーを採用する場合は、採用プロセス、研修などに時間がかかることも踏まえましょう。採用については人事など、異動については他部署との協力、連携が欠かせません。また続行中のプロジェクトに参加する即戦力を求めている場合は、実際の業務をサンプルテストとして候補者に行ってもらうのも非常に有効な手段です。

コミュニケーション上のトラブル

個々のメンバーはそれぞれ異なった考え、価値観、認知、特性の持ち主ですから、コミュニケーションが上手くいかないこともあります。コミュニケーションが上手くいかないと聞くとまず思い浮かべるのが人間関係のトラブルですが、それ以外にももっと根本的な業務上の指示が正確に伝わっていないということも起こりえます。指示するときには、内容や期限について、全員が正しく理解できるように伝え、本当に理解できているか確認する必要があります。また指示したらできあがるまでそのままというやり方ではなく、定期的にコミュニケーションを取り進捗状況の内容まで確認することも大切です。

チームワークの悪化

次に問題として挙げられるのが、先ほど少し触れたメンバー同士の関係の悪化です。個々の作業はチーム全体のためにあるのですが、ともすれば自分のことでいっぱいになってしまったり、協働関係を重視できなくなってしまうことがあります。このような場合、単純に初心に立ち返り、何のためにこの作業をしているのか、つまりプロジェクトの目的を再認識させます。それが達成できないのであれば、そもそも各自の日々の業務自体必要ないものになってしまいます。しかしそれでは、会社の成長、発展は見込めません。また普段からチーム内の人間関係構築を重視することが、重要なプロジェクトや締切前などプレッシャーのかかる状況下での耐性を作ります。

非協力的な態度

マネジメントの対象がメンバー(ヒト)である以上、様々な問題が置きます。例えば、上司とのコミュニケーションが上手くいっていない、自分が正当に扱われていないと感じる、自分の業務負担が過度と感じる、このような場合、メンバーは会社や上司に対し信頼感を失います。またメンバー間で価値観や仕事のやり方の違いで対立が起こったり、中には、協調性に欠けるメンバーが存在することもあります。これらはチーム内の雰囲気や生産性に悪影響をもたらしますので、マネジメントの大きな課題となります。

まずメンバーと上司の間では信頼関係を構築するために、誠実なコミュニケーションをする必要があります。また割り振る業務についても、なぜその仕事を任せるのか、その達成が全体の目標にどう貢献するのかを説明します。このようにして各メンバーとマネジメント担当者の信頼関係が構築されていれば、トラブルや対立を引き起こしている特定のメンバーに対しても、適切な対応が比較的取りやすくなります。メンバー全員から、状況と解決に向けての提案を聞き取り、可能な範囲でできるだけ取り入れます。不満に耳を傾ける「ガス抜き」の時間を設けることも大切です。それでも解決しない場合は、一人で抱え込む必要はありません。例えば人事担当のサポートを得て、対立の解消や問題を引き起こしているメンバーへの対応のためのアクションを取ることも一つの方法です。

同僚が部下になる、年上の部下など

マネジメントを担当するようになり、以前は同僚だった従業員や、場合によっては先輩だった従業員が部下になることもあります。また昨今は年功序列制も事実上崩れており、はるか年上の部下を持つことも少なくありません。最初は気まずく感じるかもしれませんが、もうこれは、これからの時代、いたし方ないことです。適切なリーダーシップとマネジメントスキルを発揮していくことで、時間が解決してくれます。マネジメント職に昇進した時点で、ミーティングを開き、質問や要望を聞き取ると同時に、自分チームを全力で支援することを伝えましょう。

スケジュール管理

マネジメントとプレイヤーを兼任するケースは少なくありません。そうでなくても、管理職自身の仕事に加え、チームのメンバーの監督、他部署との折衝など、管理職になると業務が増えたと感じることは多いです。特にチームの体制が出来上がるまで、またマネジメント初心者の間は、「自分の業務」と「他の人のための業務」のバランスが上手くとれず疲弊してしまうことがあります。円滑にバランスよく業務を回すには、自分の仕事の集中できる時間を1日の中で確保することです。突発的な緊急のトラブル発生でもない限り、その時間以外で対応する旨、チームに伝えておくことは何ら悪いことではありません。

上層部への働きかけ

中間管理職が自分一人でできる判断は限られており、経営層や上位の管理職の承認を受けなければならないことが多いです。上部の意思決定に時間がかかったりレスポンスが悪いと、プロジェクトの進捗やチームの士気に影響が出かねません。いわゆる板挟みの状態ですが、このときに大切なのはまず、メンバーに事実と状況を率直に伝えることです。そして可能であれば、他にできることを割り当てます。また、上部に意思決定やプロセスを早めてもらうよう働きかける必要もあります。

課題解決に必要なマネジメント能力

上記のような課題に対処していくために必要な能力やスキルには、どのようなものがあるのでしょうか。マネジメントの課題や悩みの解決に必要な能力を紹介します。

コミュニケーションスキル

マネジメントにはコミュニケーションが欠かせません。仕事の指示、相談や指導、経営層への報告、他部署やクライアントととの折衝など、マネジメントの役割は人とのやりとりがメインです。マネジメント担当者が適正にコミュニケーションを取ることができなければ、大きなトラブルにつながるかもしれません。

コーチングスキル

人材育成は、チームの生産性を上げるためにも、部下を育てるためにも必要です。同じ内容を教える場合でも、受け手の知識、経験、理解力によって、そして教える側の伝える力によって、結果は大きく異なります。そのため、マネジメント側の「人を見る目」「分析力」「聞く力」「教え方」「導き方」といったコーチングスキルは重要です。

意思決定力

管理職には自ら意思決定をしなければいけないことが少なからずあります。適切な判断を下し、責任を持つ真摯な姿は部下の信頼を勝ち取るでしょう。この信頼は、マネジメントがリーダーシップを発揮するのに非常に役に立ちます。

目標を設定能力

マネジメントには部門またはチームの目標を適切に設定する能力が必要です。適切に目標を設定できないと、プロジェクトの成功はあり得ませんし、結果、メンバーのモチベーションも下がってしまいます。

進捗管理能力

適切な進捗管理も欠かせません。業務の進み具合だけでなく、部下の負担がどれくらいか、何か問題が起きていないかまで把握することがができれば、迅速にフォローアップしたり業務配分を組みなおすことができます。

まとめ

マネジメントに携わると、ほぼ必ずと言っていいほど、この記事で述べたような課題が出てきます。なんの問題もないマネジメントはまずないと言っていいでしょう。トラブルは必ず起きる、そう思っておくのが正解です。ただし、事前に、よく見られる課題とその対応を熟知しておくことで、落ち着いて適切に迅速に課題を解決することができます。備えあれば憂いなし。リーダーとしてメンバーからの信頼を得るには、前もって予測を立て準備しておくことが役に立ちます。これも立派なマネジメントスキルの一つです。

この記事でわかることは次のとおりです。

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  • 課題解決に必要なマネジメント能力とは
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