日本の英会話業界を根本から変えるための挑戦【株式会社スパルタ英会話 代表取締役 小茂鳥 雅史】

目次

英会話業界のビジネスモデルを変えたかった

―今までに立ち上げた起業 / 新規事業の内容を一つ教えてください。

小茂鳥 雅史:
私が立ち上げた起業/新規事業は、3ヶ月短期集中型のスパルタ英会話です。スパルタ英会話は関東圏を中心に『3カ月の短期で英語を話せるようにすること』に特化した英会話スクールです。

我々のサービスは、単なる大手が行なっている英会話レッスンを提供するだけでなく、3カ月の短期集中で ・日本人による学習コンサルティング ・ネイティブ講師によるマンツーマンレッスン ・毎日最大10時間通えるグループレッスン、これら全ての英会話サービスを結集させた、かつてない英会話スクールを提供しています。

お客様の目的とライフスタイルに合わせて、最もスパルタになれる学習プランを組み立てる留学以上の3カ月を生徒様には経験して頂きます。

―その事業を立ち上げた背景(市場や時代の流れなど)を教えてください。

小茂鳥 雅史:
当時、起業を考えていた私は何で起業をするか悩んでいました。その際、カナダ留学時代に出会った現共同創業者の矢口貴久(たか)が、カフェで英会話を行うコミュニティを行なっていてそこから英会話事業のビジネスを考えていきました。

英会話事業は、駅前留学などで有名な大手企業が売上の市場を半数ほど占めていてレッドオーシャンな状態。ただ、大手が提供しているレッスンは中高事業の延長線上で『英語を話せるようになるには長い間通わないといけない』ビジネスモデルになっています。

そのような古き悪しきビジネスモデルを変えるべく、我々は短期で英語を話せるようにすることがどうやったら可能かというをところを考え、100社ほどの競合調査(体験レッスンに行き、内容をフレームに落とし込む)・英語書籍を読んでリサーチなど重ね、カリキュラムの独自開発、自社ならではの短期英語習得の学習アプローチを導き出しました。

まずは事業のファンを作ること

―どのように事業を展開し成功にまで至ったのか、成功要因を3つ教えてください。

小茂鳥 雅史:
我々が事業を展開していき、少しずつ成功まで導いた成功要因は以下となります。

1. 事業を仮決めし、3人の顧客を作る事。
既にビジネス経験がある方にとっては、当たり前ことだと思います。むしろビジネスをもっとスケールをすることが聞きたいと思うかと思いますが、0→1のビジネスを成功させる上で、一番大事なことは『事業(何をするのかを)をまず決め、3人の顧客(ファン)に買ってもらう事』だと思っています。

相手に説明できるようにするための資料を作成し、まずは知り合い10人に話し(ピッチ)、賛否両論を貰いながら1円でも10円でも良いのでお金をもらいサービスを提供できる状態を作ること、これが出来れば最初の事業開発の一歩は成功だと思っていただいて良いかと。

2. 競合調査とお客様の声で自社事業を強化。

ビジネス、サービスを仮決めしてビジネスを作り上げることができたら、破壊と再生(スクラップアンドビルド)を繰り返してクオリティをより上げていくのを意識していくことが大事です。そのためには、競合調査や他業界の良い事例・そしてお客様の声を自社のビジネスにアウトプットしていき、ターム毎に進化させていきましょう。

我々も関東の英会話スクールはほぼ全てどんなサービスを行なっていて、どんな学習アプローチをしているかは完全に頭に入ってるほどスパイ(競合調査)を行いました。その中で、他社/他業界の使ってる資料・トーク・サービスを参考にする事、そしてお客様からいただくアイディアを自社のサービスに取り入れていきクオリティと価格をあげてより強い事業を作り上げ続けてきたからお客様に愛されるサービスが今でもご提供できていると自負しております。

3. お客様により響くブランドワードを意識。

スパルタ英会話という名前を選んだ理由にも紐付きますが、ブランドワードにはとても拘りました。ブランドワードを決める上で考えている軸が3つあります。

まず一つ目は、お客様が我々のサービスを『イメージ/連想されるインパクトある名称』。

二つ目は、ウェブ/SEO・ドメインで未取得な名称である事。特に、スパルタ英会話は当時100〜1000ほどのアクセス数があるのにも関わらず、競合がこのキーワードを使っていませんでした。業界用語で言うと、ロングテールキーワードと言われるものですね。こちらはウェブマーケティングする際に非常に効果的でした。

三つ目は、『3〜5文字で呼べる語感音感がキャッチーな名称』です。スパルタという名前がキャッチーかつ、3カ月短期集中という言葉と連関した事。そしてSEOで順位1位を獲得したことで自動的にお客様がウェブ上から入ってくることができて1→10のビジネスを成功させました。

現実的なキャッシュフローを意識すること

―事業を展開する中で、失敗と感じた出来事を3つ教えてください。

小茂鳥 雅史:
事業展開の際に失敗した事柄は数知れずありますが、敢えてあげるとすると以下となります。

1. スケール時に費用対効果/撤退基準を設けない事 成功要因の際にも挙げましたが、スパルタ英会話は最初のSEOキーワードである『スパルタ英会話』、『3カ月, 短期集中英会話』『新宿御苑前, 英会話』などで順位を1位にして自動的に集客ができたと伝えました。

その後、より大きくするためにデジタルマーケティングを行いました。その際に、費用対効果(1件あたりの広告投資金)や撤退基準(どこまで数値が伸びなかったら撤退 or PDCAを回す)などを設けずに進めていたことで、投下資金と売上バランスがうまくいかずに何度か倒産寸前までにいくことがありました。特に、創業時の経営陣から他に任せる際によくありがちなので気をつけていきましょう。

2. 教育/採用戦略制度を整えずに人を増やす事

どの企業も陥るミスですが、事業を大きくなり、人を増やすか!と言って、なんとなくこういう人材が来たら嬉しいという形で戦略を考えずに採用を進めていくことです。

採用は、結婚と一緒です。してしまってから、入社してもらった人材とズレが生じて大きな問題へと発端する事が度々ありました。時には、倒産の危機になるような大事件も(汗)。 そうでなくても、雇用契約書の漏れや教育戦略を意識していなくて、人が育たずに任せたことでサービスの劣化やクレーム多発、売上低迷など小さな歪みから抜本的な解決に気付かずにそのまま進めてしまい、日に日に会社の舵キリが思わぬ方向に。。ということがあります。

人を増やすときは必ずに、採用方針や入社基準を意識して進めるようにしましょう。

3. キャッシュフロー計算書を意識して事業投資を

子供の時に、お母さんからお小遣い手帳を付けなさい、そうじゃないと人生苦労するよっ!と言われてぎくっとした方も多いと思います。そうです、キャッシュフロー計算書とは企業のお小遣い手帳と同じだと考えてください。

貯金が、10万円。お小遣いが2,000円だとすると、3,000円使ってしまったら時期にお金は無くなりますし、1,000円を遊びに、500円学問へ投資という形で行ったら貯金も貯まるし人生が順調に進むでしょう。これを万円付けたらちょうどビジネスに置き換わるのでないでしょうか。

さらにビジネスへ落とし込むと、売掛金と売上/=入金が全くもって別物です。昔なら、売掛金を小切手という形でお金に転換できたと思いますが現代は入金が全ててです。

これから入るお年玉のことを考えて、先にゲームやら漫画を買ってお金を使ってしまいお年玉が予定通り入って来なかったら破産しますよね。そういう予実管理能力と現実的なキャッシュフローをより理解して動くこと。これを意識してビジネス開発、経営をしていきましょう。

事業開発はマラソン

―最後に、これから起業 / 新規事業を立ち上げる方へのメッセージをお願いします。

これから起業や新規事業を立ち上げる方に理解して頂きたいのは、事業開発はマラソンです。

事業を継続するためには、早く走りすぎて怪我をしたらダメですし、ずっと立ち止まってはダメです。 少しずつ自分の走る距離を増やして、スピードも上げて成長していくこと。

そんな当たり前な事を継続し、より成長させるためにズルせずに慎重かつ大胆に動ける方が最後は勝つと感じています。ぜひ、一緒に頑張りましょう!

編集後記

今までの英会話業界とは全く違った視点でありながらも、「どうやったら日本人が英語を習得することができるのか」という問いに根本から向き合い続けてきた小茂鳥代表。

明るくとても陽気な話ぶりながらも、その言葉の中には自身の事業に対する熱い思いと愛が溢れ出していた。

グローバル社会と言われて久しいが、日本人にとっての英会話というものは今後も大きな課題であり続けることは間違いないだろう。

今後も小茂鳥代表の挑戦から目が離せない。

小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)/ 慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレー証券に入社。 退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、語学教育事業 株式会社スパルタ英会話を立ち上げ、わずか3年でマツコ会議を始めとした4本のテレビ出演、年商を3億円企業へ。その後、法人事業に対して”売上主導型の英会話レッスン”を提供し、富士ソフト、BEAMSなどの大手企業に提供し事業を拡大。 英会話事業立ち上げ後は会社規模をより拡大させ、『100社、1兆円を生み出す集団』にという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの会社を束ねる株式会社We&を設立。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次