【事業開発と事業企画の違いとは?それぞれの特徴と違いを解説】

「事業開発」と「事業企画」という二つの言葉があります。非常に似ている言葉なので、みなさんの中にはそれぞれの違いが実はよくわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。たしかに言葉だけを見ると似ていますが、実際の役割や内容かなり異なった点もあります。

本記事では、この二つの役割のそれぞれの特徴について解説をすることで、二つの言葉の違いを明確にすることを目的としています。今まさにこれらの業務に携わっている方、これから携わる予定のある方などは、ぜひ本記事を参考にしてみていただけたらと思います。

■事業開発と事業企画の違いとは?

━まずは一般的な事業開発と事業企画の違いについて解説をします。

■事業開発と事業企画のそれぞれに向いている人の特徴と違い

━事業開発と事業企画に向いている人とはそれぞれどのような人なのでしょうか?ここでは、それぞれに向いた人の特徴をご紹介します。

■事業開発と事業企画のそれぞれに必要なスキルの違い

━事業開発と事業企画では、それぞれ求められるスキルも変わってきます。ここでは、それぞれに必要とされるスキルをご紹介します。

■まとめ

目次

事業開発と事業企画の違いとは?

事業開発と事業企画の違いとは一体何なのでしょうか?二つの間にはいくつか違いがありますが、まずは、そもそも仕事内容が異なるということが挙げられるでしょう。

事業開発では、主に新規事業の立ち上げや推進といった役割を担うことになります。つまり、0から1を生み出す部分を担うのが事業開発ということになります。新規事業に携わる場合には、役割としてはこの事業開発に該当する場合が多いでしょう。

一方で、事業企画では一つの事業に関する具体的な戦略を練って計画を作っていきます。事業の企画から目標設定、課題解決や計画の実行などの一連の流れをすべて担当することになります。具体的には、KPIや予算の設定、実績評価、課題の洗い出しから施策の立案などが含まれることになります。

つまり、0から1ではなく1から10へと発展させていくのが事業企画の役割といえるでしょう。ただ、事業企画といっても新商品や新市場への参入などに携わることもあるので、まったく事業開発と違うのかというとそうではない部分もありますが、あくまで既存事業の一連の戦略部分に携わることが多くなるのが事業企画です。

また、キャリアパスについて考えてみても、二つの間には違いがあります。

事業開発では営業やマーケティングの仕事、資料作成を含めたプレゼンテーションスキルなどを活かすことができるでしょう。将来のキャリアパスとしては、経営企画や事業企画への異動、経営コンサルティングなどが考えられるでしょう。

事業企画の場合は、同様に営業やマーケティングの仕事、さらに財務管理などの業務経験を役立てることができるでしょう。事業企画で成果を残すことができれば、経営企画へのステップアップなどを期待することができます。

事業開発と事業企画のそれぞれに向いている人の特徴と違い

次に事業開発と事業企画のそれぞれに向いている人の特徴を見ていきたいと思います。それぞれの特徴を知ることで、事業開発と事業企画の違いもより明確になるでしょう。また、人材選びで悩んでいるという方は、ぜひこちらを参考にしていただき、それぞれの役割に適した人材をピックアップしていただければと思います。

事業開発に向いている人

グレーゾーンを恐れない

新規事業開発を進めていくにあたって、その過程には様々な不確定要素と向き合う必要があります。なぜなら過去のデータなどがない場合がほとんどだからです。だからこそ、恐れずにとにかく物事を前に進める勇気がある人や、現状と向き合って論理的に物事を進めていける人は事業開発に向いているといえます。

立ち向かわなければならないであろう様々なグレーゾーンに恐れずに飛び込んでいける人、こんな人こそ新規事業に携わって活躍できる人材になる可能性が高いです。

新しいことへのチャレンジ精神が旺盛

事業開発というからには新しい事業を生み出していくことがメインタスクとなります。日々新しいものや価値観が生まれていく現代では、積極的にそういったものを取り入れたり学んでいこうとする姿勢のある人が事業開発には向いています。

日々新しいものに触れて生活をしている人は、そうではない人たちと違った視点から物事を見ることもできるでしょう。その視点こそが、新規事業のアイデアを生み出す第一歩となるケースも多いので、時代の流れや流行に敏感で、日々そういったものにアンテナを張っている人は事業開発に向いています。

スピード感のある人

事業開発にはスピード感を持って行動できる人が向いています。さらに、近年では「リーンスタートアップ」と呼ばれるビジネスモデルも注目されています。

これは、できるだけ少ない費用や手順を踏んで最低限の製品やサービスを展開し、顧客からの反応を見て都度アップデートを繰り返していく手法となります。時間をかけて失敗してしまうよりは、とにかくスピード感を持ってPDCAを回していくことになり、新規事業開発においては主流になってきています。したがって、スピード感をもって試行錯誤を繰り返していける人は事業開発に向いているといえるのです。

ロジカルシンキングができる人

ロジカルシンキングとは、物事を根拠と結論を分けて論理的にそれぞれを繋げて考えることのできる力です。

ロジカルシンキングができる人は、人に説明するときも物事を論理的に説明することができます。事業開発においては、もちろん熱意を持って感情をこめて説明をすることも大事ではありますが、それ以上に論理立てて説明できる力が求められます。

さらに、多くの問題に直面しやすい事業開発では、「どうすればその問題を解決できるのか」「なぜこの問題が発生したのか」といったことを考える際にも、論理的思考力は問題解決に役立ちます。

コストへの意識が高い人

事業開発では大きなコストがかかるケースが多いため、コスト管理への意識が高い人も事業開発に向いています。

コストのことをあまり考えずとにかくやりたいことに手を付けてしまっては、あっという間に予算がなくなってしまいます。新規事業の場合、最初の段階で正確な収支予測を立てることは困難です。だからこそ、コスト管理は既存事業以上に大切になってきます。

新しいことへの挑戦するマインドを持ちつつ、堅実なコスト意識も持った人は事業開発で活躍できることでしょう。

事業企画に向いている人

マルチタスクが得意な人

すでに述べたように、事業企画では一つの事業に関する一連の作業に関わることになります。そのため、多くのことを同時にこなしていくスキルが必要になります。

一つのことを徹底的に深堀するというタイプよりも、視野を広く持って物事を見れる人が事業企画には向いています。

新しいことが好きな人

前述したように、事業企画では新規事業などの新しい事業に挑戦する機会もあるでしょう。したがって、新しいことが好きで、積極的に新しいことに取り組める人は事業企画に向いていると言えます。逆に、決まったことをやり続けるのが好きな人というのは事業企画には向いていないでしょう。

リーダーシップがある人

事業を進めていくためには、周りの人を巻き込んで引っ張っていく力も必要です。普段から周りを巻き込んで輪の中心にいることが多かったり、コミュニケーション能力に自信がある人は事業企画に向いているかもしれません。

自分が持っているマネジメント力を活かしたいと考えている人は、ぜひ事業企画に挑戦してみると良いでしょう。

フレキシブルに物事を考え行動できる人

事業企画の業務には変化は付き物です。だからこそ、臨機応変にフレキシブルに物事に対処できる人は事業企画に向いています。

変化をあまり好まない人に事業企画は辛いかもしれません。むしろ変化を楽しんでしまえる人は、事業企画という仕事も楽しめるかもしれません。

事業開発と事業企画のそれぞれに必要なスキルの違い

最後に、事業開発と事業企画のそれぞれに求められるスキルについて解説していきます。それぞれに向いている人の特徴をご紹介したので、なんとなくすでに予想は付くかと思いますが、具体的なスキルも見ることで、より二つの仕事の違いを明確にしていただければと思います。

事業開発に求められるスキル

コミュニケーション能力

事業企画では、立ち上げの際に複数の部署を跨いでコミュニケーションをとる必要があるため、コミュニケーション力は必須の能力です。新規事業を進めていくうえで、他部署や部門からの理解を得ることは非常に重要です。

また、経営陣と現場の橋渡し的な役割を担うことも多いので、高いコミュニケーション力が求められることになるでしょう。

論理的思考能力

事業開発では多くの場合は新規事業開発に携わることになるでしょう。そうなると、過去のデータなどもないので、起こり得るリスクや課題などの予測を立てるのが非常に難しくなります。

そんな状況で必要なのが論理的思考力です。論理的思考力を持っていれば、先入観などにとらわれず客観的な視点を持って物事を判断することができるのです。

資料作成能力(プレゼンテーション能力)

新規事業開発に多く携わる事業開発では、事業を説明する資料や営業用の資料作成など、多くの資料作成の機会を持つことになるでしょう。社内、社外に関わらず、決裁者への重要なプレゼンテーションなどをすることにもなるので、資料作成力、それに加えてプレゼンテーション能力は必須のスキルです。

プロジェクト・マネジメント能力

新規事業の場合、同時に複数のプロジェクトが進行していることも多いでしょう。プロジェクトが多ければ、その分それに関わる人の数も多くなります。

あくまで同じ事業の中で業務を進めている以上、プロジェクト間の連携や意見交換は欠かせません。そのような際には、そうした連携などを調整する役割も担うことになりますので、プロジェクト・マネジメント能力は欠かせないスキルの一つと言えます。

事業企画に求められるスキル

マーケティング能力

事業を成功させるためには、ターゲット顧客の性質や市場のニーズなど様々な情報を集め分析し、収益を上げていく必要があります。そのためには、高いマーケティング力が必要です。

マーケティング力がなければ、どのような事業も成功させることは難しいでしょう。高いマーケティング力を持っていれば、事業企画に大きく役立ってくれることは間違いありません。

マネジメント能力

事業企画では、事業全体に目を配る必要があるので、それぞれの部署や部門をまとめるマネジメント能力が必要となります。

事業の目標達成をするためには、たとえ別の部署や部門であっても同じ方向を向いて業務にあたることが大切です。事業推進はもちろんのこと、チームの意識を統一させたり適材適所に人員を配置するなどのマネジメント能力が必要不可欠です。

営業力

事業企画では営業力も求められます。ただし、一般的な営業のように社外に商品やサービスを売るというよりも、社内に事業を発信していくという営業力が求められるのです。

事業を円滑に進めていくためにも、その事業が会社にどのようにして貢献しているのかということを、社内に発信していかなければならないのです。

財務管理能力

事業企画では、利益の生み方はもちろんのこと、資金調達や予算管理なども非常に大切なポイントです。

特に新規事業の場合には、立ち上げ当初は赤字続きということも予想されます。そうなってくると、資金確保のための財務管理はまさに事業の生命線となるのです。資金の流れをきちんと把握できる財務管理能力も事業企画には非常に大切なスキルです。

まとめ

本記事では、事業開発と事業企画について、それぞれに向いている人材や必要なスキルに焦点を当てながらその違いについて解説しました。

簡単にまとめてしまえば、事業開発は新規事業、事業企画は既存事業にメインで携わるというのが大きな違いといえるでしょう。それぞれ業務内容がまったく異なっているということではなく、どちらも事業全体を把握し動かす高度なスキルが求められる業務といえます。

したがって、そこにどのような人材を置くかというのは事業の成否に大きく関わってくることですので、ぜひ本記事を少しでも参考にしていただき、今後の事業展開に役立てていただければと思います。

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