新規事業とは?成功事例とともにポイントを解説

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この記事では新規事業とは何かを説明すると共に新規事業が必要な理由や、成功のポイントについても解説しています。
最後まで見ていただけると幸いです。

目次

新規事業とは

Group of people are working together in a modern working space in Tokyo.

新規事業とは、新たに立ち上げる事業のことです。
企業として成長するために新規事業を立ち上げる場合は、これまでに立ち上げて来なかった分野に参入することを言います。

例えば、フードデリバリーサービスの「Uber Eats」はタクシー配車アプリの「Uber」によって立ち上げられました。
このようにデリバリーするものを変えて新規事業を立ち上げている企業もあります。

また、個人が独立し新しく立ち上げる事業のことも新規事業と言います。
例えば、自分で作成したハンドメイド作品をサイトを立ち上げて販売することや、ブログを運営することも新規事業の一つです。

なぜ新規事業が必要なのか?

現代では市場の変化が早く、企業にも変わりゆく消費者のニーズに応えることが求められています。
そのためにも、同じ事業を売り続けるだけではなく新規事業を立ち上げることにより、消費者のニーズの変化や市場の変化に応え、持続できるような企業をつくることが必要です。

実際に最近ではMeta(旧Facebook)がメタバースを進める経営方針を発表をしたり、Amazonではヘルスケアに対応したサービスが普及するなど、市場でのニーズの変化に対応している企業が多いことが伺えます。

新規事業を行うメリット

新規事業を行うメリットは主に以下の二つがあります。

  • 収入を伸ばせる可能性がある
  • 既存事業の依存を減らすことができる

それぞれについて詳しく解説していきます。

収入を伸ばせる可能性がある

新規事業により、新たな収入源になる可能性があります。
新たな収入源を獲得することにより収入が伸ばせる可能性も高まりますが、新規事業を行うために集めた人、モノ、情報 等の資源を社内においておくことで会社という組織として大きく成長することに繋がります。

そして、新規事業を立ち上げるにあたって得た知識を既存の事業に活用することによって既存の事業を拡大することも可能と言えます。

既存事業の依存を減らすことができる

新規事業を行うことにより、特定の事業だけに集中することを避けることができます。
新規事業を行うことで幅広く市場にアプローチすることができます。

例えば、既存の事業として、toB向けにスケジュール管理を行うサービスを導入している企業が、新たにtoC向けの新規事業を企画している場合、獲得したい顧客層や市場は異なる可能性があります。

そのため、既存事業の伸び率が悪くなっても収入を得られるような体制を築くことにつながります。

新規事業を行うデメリット

新規事業を行う際には以下のデメリットもあるので注意が必要です。

  • 初期費用がかかる
  • 黒字化に時間がかかる

それぞれについて以下で詳しく解説していきます。

初期費用がかかる

新規事業を行うために大きな初期費用がかかる場合があります。

新規事業開発には、新しく人を集める必要があるため人件費が増えることも予想されます。
また、設備導入費用や開発費用がかかる可能性があります。そのため、必要な初期費用を所有していることも重要です。
初期費用を得るためには、銀行や投資家からの出資を考える必要があります。

資金を集めるために膨大な時間がかかる場合が多く、良いアイディアを実現するためにも、資金を集めるスケジュールも計画しましょう。

黒字化に時間がかかる

新規事業の黒字化には3〜5年かかると言われています。
新規事業は既存の事業を進めることとは違い、試行錯誤しながら進めることが多いです。

例えば、アマゾンは創業から7期連続で赤字が続きました。
今では一流企業へと成長しましたが実際に黒字を出すためには時間をかけることも必要だと言うことがわかります。

長期的な計画と短期的な計画を分けて進めることが重要です。

2022年最新の新規事業アイディア

2022年にはコロナの影響により、新しいビジネスモデルのサービスが登場したり、エンタメサービスのサブスク化が進みました。
では実際にはどのような新規事業が登場しているのかみてみましょう。

NFTコマース用プラットフォーム

2022年にはNFTに関連するサービスが多く登場しています。
NFTとは、NFT(Non-Fungible Token)のことで日本語では非代替性トークンと言われています。
絵や写真などのアート作品だけではなく、スキルやノウハウのことを含みます。

BASE

誰でも簡単・無料でネットショップを作成できるサービスのことです。
開設費用はタダで、販売し購入してもらえた場合に手数料をとるというビジネスモデルで初心者の方に始めやすいと話題のサービスです。

ネットショップでものを販売する以外にも、質の良いwebデザインのテンプレートを購入することができ、ネットショップを開設する時に便利です。

ココナラ

日本No.1のシェア率を誇る、スキルマーケットのことで、例えば、Webサイトの作成のノウハウを持つ人とWebサイトを作ってもらいたい人をマッチングする事ができます。
また、Webサイト以外にもマーケティングやお悩み相談等の広い分野で取引をすることが可能です。

ヘルスケアサービス

2022年にはヘルスケアサービスも多く誕生しています。特に、海外の一流企業がサービスを開始している事が目立ちます。
Appleでは「Apple watch」にヘルスケアサービスが付属しています。
例えば、歩数を測ったり、心拍数を測る事ができます。

Amazonは「Amazon Pharmacy」という薬局に行かなくても処方薬を買うことができるサービスを日本では2023年に開始する予定です。
Facebookは「Preventive Health」という健康診断やワクチン接種をリマインドするサービスを始めています。

新規事業が思い浮かばなかったら

新規事業のアイディアを出す必要があるが、全く思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか?
新規事業が思い浮かばない時はフレームワークを活用するようにしましょう。

以下でフレームワークを活用する例について解説しています。

フレームワークを活用する

フレームワークを活用することにより、情報を整理することができます。
例えば、アイディアを出す方法として、マンダラーチャートがあります。

マンダラチャートは、まず、3×3の9マスの枠に達成したい目標を書きます。
そして、その9マスの枠を複数書き、合計で81マスの枠に目標を達成するために行う手段をかきます。

マンダラーチャートは大谷翔平が活用していたことが有名ですが、アイディアや課題を整理する場合に便利です。
他にも顧客を分析するフレームワークや、アイディアを整理するフレームワークがあるので自身の目的に合ったフレームワークを活用して、新規事業成功に繋げましょう。

新規事業の成功例

新規事業の成功例について紹介していきます。

大企業が立ち上げている新規事業例

大手企業が実際に立ち上げている新規事業について紹介していきます。

スープストックトーキョー(三菱商事)

Soup Stock Tokyoとは女性が入りやすいファストフード店として有名となったスープ専門店で、「世の中の体温をあげる」を目標にスープによって生まれるコミュニケーションを大切にしています。

創業者の遠山正道さんは在籍時にスープ専門店を新規事業として提案し、その後自身の会社を立ち上げました。
現在では全国に57店舗を構えており多くのファンがいることが伺えます。

au自分銀行 (KDDI&三菱UFJ銀行)

KDDIと三菱UFJ銀行が設立したインターネット銀行で、スマートフォンを通して残高確認や振込など銀行で行うことのできるサービスをスマホでも行うことができます。

KDDIでは保険、通販、電気などの生活に関するサービスも提供しており、銀行のサービスを組み合わせることで住宅ローン等の提供を容易にしたことが顧客に満足してもらえる仕組みづくりに繋がったと言えます。

また現在では、登録口座数400万件を突破しており、シェアを拡大しています。

タクシー配車アプリGO (DeNA)

以前、DeNAでは「MOV」というアプリが開発されていましたが、Japan Taxiとの統合が発表され現在では「GO」というアプリでシェアを拡大しています。

このアプリでは、タクシーを配車することはもちろんのこと、目的地を設定しておけば口頭で運転手に説明する手間を省くことができ、アプリ決済等に対応しています。

現在(2022年11月時点)では1000万ダウンロードされており、国内でのシェア拡大に成功しています。
また、現在ではtoB向けにもサービスを拡大しており、2500社以上の企業に登録されています。

toB向けのサービス例

以下でtoB向けの新規事業サービスの例について紹介します。

「AirCourse」(KIYOラーニング株式会社)

KIYOラーニング株式会社ではtoB向けに人事育成の動画コンテンツを作成していたり、司法試験などの資格に対応したコンテンツを配信するサービスを運営しています。

toB向けに提供しているサービスの「AirCourse」は組織やグループ単位で学習を管理することができ、人材育成にかける手間を省くことができ本来の業務に集中することを目的としています。また、働き方改革やリモートワークによるストレスを防止するためにも色々なサポートがあります。

現在では3500本以上のコンテンツ数があり、多くの企業に導入されることが見込まれている事がわかります。

「Musubi」(株式会社カケハシ)

薬局向けのサービスを運営する株式会社カケハシでは、薬局の悩みを解決するためMusubiというサービスを運営しています。
薬剤の在庫管理を簡潔にすることが出来たり、LINEで処方箋の案内を知らせる事が出来ます。

2015年に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」や薬局に関連する法律が改正され、大きな変化が問われています。その中でこのプラットフォームを活用することで、薬局として生活のより身近な存在になることを実現する事が出来ます。

現在では、ユーザー薬局数が6000店を突破し、導入店舗を伸ばすことに成功している事がわかります。

toC向け

以下でtoC向けの新規事業サービスの例について紹介します。

DELISH KITCHEN (株式会社エブリー)

株式会社エブリーでは、「だれでもおいしく簡単に作れるレシピ」を毎日配信するレシピ動画メディアを運営しています。そのほかにもtoC向けにサービスを展開しています。

このメディアは「クックパッド」とは違い、プロのチームがレシピを提供しているため、調味料等の分量が細かく説明されていたり、作る過程の動画があるため、作業工程がわかりやすく、料理が難しいと感じている方も気軽にチャレンジできる工夫がされています。

現在では、SNS合計600万フォロワーを獲得するなど多くのユーザーがいる事がわかります。

N予備校(株式会社KADOKAWA)

株式会社KADOKAWAでは、toC向けにプログラミング、大学受験の勉強に活用できるN予備校というアプリを運営しています。

このアプリは一般の生徒の他にもN高生のために授業を配信するサービスであるため、固定のユーザーを獲得することに成功しています。
専門学校と連携し、イラスト、プログラミング、ビジネス等のスタディサプリにはないクリエイティブなコンテンツを提供することで差別化に成功しています。

また、VRと連携する事ができるため実際に目の前で先生の授業を受けているかのような感覚を得ることもN予備校の特徴です。
最近ではコロナの影響や学校に行かないという選択肢が徐々に広まってきていることからN高生徒数は伸びているため、成長率が高いと言えます。

次々と新規事業を立ち上げる社内ベンチャーとは

社内ベンチャーという言葉を聞いたことはありますでしょうか?
社内ベンチャーとは新規事業のために企業が立ち上げた独立組織のことです。

ベンチャー企業のように革新的なアイディアを生み出しビジネスを立ち上げることを目的としています。
そのため、社内で行われている事業に依存していないため、企業のイメージとは違う事業が生まれやすいです。

例えば、「リクルート」から誕生した「スタディサプリ」や「良品計画」から誕生した
「無印良品」も社内ベンチャーの一つです。

新規事業を成功させるコツ

新規事業を成功させるために以下のコツを抑えておくことが必要です。

情報収集

新規事業が必要な理由でも紹介しましたが、現代では消費者のニーズそして市場のニーズの変化に応えることが重要とされています。
その中で、いかに情報を得て、市場の特徴を捉えられるかが事業成功に繋がります。

例えば、市場を捉える情報収集方法として、e-Statがあります。
これは、日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトで、国民の消費活動や、気候、賃金の統計を見ることができます。

市場のサイズや、課題を解決するために見込まれるターゲット数等を把握することができます。
またデータだけではなく、情報収集の過程でターゲットにインタビュー等を行い、消費者のニーズを捉えるためにも「生の」情報を得ることも重要です。

人材の獲得・育成

新規事業を立ち上げることは既存の事業を進めることよりも多くの力を消費します。
そのためにも、熱量のある人材を取り入れ、共通の意識をもつチームで進めることが鍵となります。

例えば、目標が違っていたり、その事業に専念する時間や熱量がなければ、目標達成に時間がかかってしまうだけでなく、重要な人材がやめていくといった状況になってしまう可能性もあるため、技術だけではない部分でも人材を評価することが重要です。

また、新規事業を進めることで新しい人材が育ち、そのサイクルが形成されることで持続可能な企業に育つことにも繋がります。

PDACサイクルを速く回す

新規事業を成功させるためには、計画→実行→評価→改善のスピードが重要となります。

計画

この段階では、情報収集を行い、市場の調査をしてこれから行う事業の「天候」を確認しましょう。
この時点で悪い結果であればもう少し検討することが重要です。

また、市場の調査だけではなく、顧客の声を聞くことで新しい課題に気づくことができ、課題解決のアイディアになる可能性も高まります。

実行

実際に計画したもののプロトタイプを作成してみたり、まずは計画段階から抜けだせるよう行動してみましょう。
実行する上で大切なのは、完璧を求めすぎないことで、事業ではうまく行かないことも多々あります。
そのために欠点や強みを実行して得ることで、より市場と顧客に寄り添ったサービス、商品につなげることができます。

評価

実行してみて、うまく行かなかった点とうまくいった点を振り返りましょう。
なぜ売上が伸びたのか?なぜ顧客満足度が悪くなったのか?などを分析し、振り返ることによって成功する確率をあげていきましょう。

評価をしっかりと分析できていないと課題を見出すために時間がかかり、何度繰り返しても同じ結果が出てしまう、伸び悩む、と言った問題に直面するためあらかじめ、なぜうまく行かなかったのかを振り返りましょう。

改善

改善では評価をもとに次につなげる工夫を行いましょう。
例えば、評価で気づいた課題をどうしたら改善できるか。

他にも、そのまま続けていくべきか、止めるべきなのかも考えるポイントとして入れておきましょう。
これらの、改善を行うことにより、市場の反応を見ながらフィードバックを速く吸収することができ、速く課題点に気づくことで軌道修正を行うことができます。

新規事業のまとめ

この記事では新規事業とは何かについて解説しました。
新規事業開発によって消費者のニーズ、そして市場のニーズに応えていく必要があることがわかりましたね。
そのためには、まず実行して課題点に気づき、改善を重ねることで早く市場の反応をみましょう。
また、新規事業成功のためには同じ意志を持った仲間と情報収集等をしっかりと行い、進めることで成功に導くことができます。

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