新規事業が思いつかない人必見—アイデアを生み出すための発想法とフレームワーク

時代の移り変わりが早く、トレンドがものすごいスピードで変化していく現代において、世界中で日々新たなアイデアを含んだ新規事業が生まれています。
そのようなビジネス環境の中で、「自社でも新規事業を始めたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。

世の中のニーズに適した画期的な新規事業を生み出せるかどうかは、今後生き残っていけるかどうかの死活問題にもなり得ます。
しかし、いざ「新規事業を始めよう」と決心をしたとしても、そう簡単にアイデアが浮かんでくるものではありません。

新規事業に限らず「何かアイデアはありますか?」と聞かれても何も出てこなかったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

本記事では新規事業のアイデアが思いつかない際に参考となる情報をご紹介していきますが、まずは「そもそもなぜアイデアがなかなか思いつかないのか」という点に着目して考えてみたいと思います。

目次

新規事業が思いつかない理由とは?

新規事業が思い付かない理由とは一体なぜでしょうか。
新規事業が思い付かないと悩む方は以下の理由が原因かもしれません。

  • 革新的なアイデアに固執しすぎている
  • 常識に捉われている
  • 反対されるのが怖い
  • アイデアを出す習慣の欠如

それぞれについて解説していきます。

革新的なアイデアに固執しすぎている

新規事業アイデアと聞くと、今まで存在しなかった全く新しい事業でなければならないと思うかもしれません。
もちろん新しいものであることに越したことはないのですが、何もないところから新たなアイデアを生み出すのは、ただでさえ難しい新規事業アイデアのハードルをさらに高くすることになるでしょう。

そもそも新規事業=今までにないもの、と捉える必要はありません。
仮にまったく新しいものだとしても、そこにニーズがあるかは別問題ですし、一から認知度を広げニーズを生み出すのは至難の技です。

したがって、既存事業の中で何か変えることができるものはないか考えてみましょう。
それだけで新たな事業が生まれる可能性は十分にあります。

「革新的な新たなアイデア」という考えに固執しないようにしましょう。

常識に捉われている

1つの業界に長らく従事していると、自然とその業界の常識が染み付いてしまうものです。
そうなってくると、その常識から逸脱したようなアイデアが思いついても「どうせ無理だろう」とあきらめてしまいがちです。

しかし、新規事業というのはある意味常識を覆すことでもあります。
特にテクノロジーなどの発展によって一昔前では考えられなかったようなことが可能になっています。

常識に捉われてアイデアを判断するのではなく、まずはすべてのアイデアは一度は取り上げるようにするという姿勢を持つことが大切です。

反対されるのが怖い

アイデアを出すことを目的とした会議などでは、他の人が出したアイデアを否定したり、ネガティブな意見を言うことは絶対に避けるようにしましょう。

もちろん、出されたアイデアの中には現実的に実現不可能なものもあるでしょう。
しかし、まずはアイデアが気軽に出るような環境を作ることが大切です。

否定的な環境ができてしまうと、アイデアが出にくくなってしまいます。
どんなアイデアでも出しやすい環境づくりを心がけ、出されたアイデアの中から精査するようにしましょう。

アイデアを出す習慣の欠如

アイデアを出すためには日頃からアイデアを出す習慣を持つことが重要です。
そうした習慣を持つことによって、アイデアを出すための思考回路を鍛えるのです。

仮に仕事を関係なかったとしても、日々アイデアを探し考える習慣づけをしていれば、「アイデアを出すのが苦手」という人でも徐々に思いつきやすくなってくるものです。

新規事業が思いつかない際にするべきこと

新規事業を考える上では、できるだけたくさんのアイデアを考え集めることが重要です。

上述しましたが、アイデアを常識の範囲内で狭めてしまったり、新たなアイデアに対して否定的な環境を作ってしまうと、イノベーションが生まれる可能性は低くなってしまいます。

ここでは、新規事業が思いつかない際に意識したい2つのポイントをご紹介します。

  • 解決すべき課題を探る
  • 情報収集を行う

解決すべき課題を探る

一昔前と現代ではビジネスのかたちも大きく変わり、過去の常識が通用しにくくなっています。
たとえば、昔であれば、「とにかく品質が良くて安いもの」というのが重要視され、そうした製品やサービスを提供していれば、ある程度の売り上げを見込むことができたでしょう。

しかし、インターネットが発達した現在では、消費者は簡単にトレンドや競合他社の類似商品、最安値の商品などを見つけることができます。
むしろ、ユーチューバーなどを見てもわかるように、消費者のほうが開発者よりもその業界やトレンドに詳しいという場合も起こり得るのです。

そして、商品を使えば今は多くの人がSNSに書き込みをします。消費者の間で簡単に情報交換が可能なのです。
つまり、現在のビジネス環境においては、より一層消費者のニーズを理解し満たすことが何よりも重要なのです。

現代の消費者が抱えているニーズを把握し、彼らが抱えている課題を解決できるような新規事業を立ち上げることができれば、自社を大きく発展させるようなビジネスが生まれる可能性があります。

そのために、まずは現在消費者が抱えている課題や問題を洗い出すようにしましょう。
そこを起点に考えはじめれば、新規事業アイデア考える上での近道となるでしょう。

情報収集を行う

当たり前のことですが、情報収集は非常に大切な作業です。

現在では、先ほども触れたSNSや口コミサイトなどで比較的簡単に消費者の声を集めることができます。
消費者のニーズの動きをいち早く察知するためにも、常にアンテナは張っておくようにしましょう。

また、競合他社の商品やサービスへの口コミなどもしっかりとチェックしておくと、自社の新規事業立ち上げの際に役立つでしょう。
課題を探ることにも共通することですが、日々の生活の中でメモを取る習慣などを付けておくと、自然とアイデアを思いつきやすくなります。

新規事業が思いつかない際の発想法

新規事業アイデアがなかなか思いつかないという時に効果的な発想法はいくつかありますが、ここでは代表的なものを4つご紹介します。

  • 既存事業の分析
  • 競合他社の分析
  • 他社のビジネスモデルを参考にする
  • 消費者のニーズを把握する

既存事業の分析

新規事業を考える上でまずファーストステップとなるのは、「既存事業の分析」です。
その際には「SWOT分析」が有効です。

SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字を取った分析方法です。

強みと弱みというのは内部分析にあたり、自社の売り上げやサービス、従業員のスキルなどの要素が含まれます。
これらを客観的に分析することで、自社が現実的に行える可能性のある新規事業アイデアを洗い出すことができます。

機会と脅威は外部分析にあたり、市場において競合他社よりも優位に立てる点、逆に劣勢となる点を表しています。

競合他社の分析

新規事業で成功している競合他社の分析を行うことで、その会社の強みと弱みを把握することができます。

上述したように、競合他社の製品やサービスをただ分析するだけでなく、SNSや口コミサイトを活用することで、より消費者の目線に近い強みと弱みを把握することができます。

競合他社を深く知ることで、自社が始めたい新規事業のヒントを得ることができるでしょう。

他社のビジネスモデルを参考にする

競合他社の分析にも通ずることではありますが、他社の成功しているビジネスモデルを自社に取り入れることもできます。
さらに、この場合の他社というのはなにも同業界に限定する必要はありません。

たとえば、オンラインストアなどはどの業界でも取り入れられていますし、その中でも成功しているものを取り入れることもできるわけです。

消費者のニーズを把握する

冒頭でも述べましたが、消費者のニーズを把握することは現代のビジネスにおいて特に重要です。
SNSや口コミサイトを確認し、良い口コミだけでなく悪い口コミにもしっかりと目を向けるようにしましょう。

なぜなら、そこにこそ新規事業アイデアのヒントが隠されている場合が多いからです。
消費者の不満を解決することは、そのまま新規事業のアイデアに直結します。

自社も競合他社も含めて、常に消費者のニーズを把握するようアンテナを張っておくことを意識しましょう。

■新規事業が思いつかない際に使えるフレームワーク

どうしてもアイデアが思いつかない際には、フレームワークと呼ばれる枠組みを使った技術を利用するのがおすすめです。
フレームワークとは、意思決定やアイデアを発想する際の作業をテンプレート化したノウハウのことです。

フレームワークには様々な種類がありますが、ここでは「新規事業が思いつかない」というときに有用なフレームワークを2つご紹介します。

  • マンダラート
  • MVV

マンダラート

マンダラートとは、仏教の曼荼羅模様に由来するチャートのことです。
アイデアを整理して、その中でも関連するアイデアを深掘りするためのフレームワークです。

作成方法は以下となります。

STEP
3×3の9つのマス目の真ん中にテーマ(基本アイデア)を記入
STEP
周囲の8マスにテーマ(基本アイデア)に関連するアイデアを記入
STEP
周囲の8マスに記入したアイデアの中から、さらに検討したいアイデアを1つ抽出
STEP
別の3×3のマスの中心に抽出したアイデアを記載
STEP
その周囲8マスに関連する8つのアイデアを記入
STEP
上記を数度繰り返す

上記を作成することで、中心のマスを起点としてアイデアを広げていくことができます。

関連性のあるアイデアをどんどんと広げ、起点となるアイデアを深掘りできるマンダラートは、アイデアが思いつかない際には非常に有効なフレームワークです。

MVV(Mission・Vision・Value)

MVVは、Mission・Vision・Valueの頭文字を取った言葉です。
この3つを明文化することで、新しい事業を行うことで、社会で何を実現し、何を目指し、どのような行動指針で進むのか、ということを明確にします。

これらを明確にすれば、企業としての自社の立ち位置を改めて理解することに繋がり、新規事業のアイデアをより現実的なものとして考えることができるようになるのです。

新規事業アイデアが思いつかない際に参考になるビジネスモデル

最後に、新規事業アイデアが思いつかないという方のために、参考になる近年のトレンドのビジネスモデルを2つご紹介します。
ぜひ自社の新規事業の参考にしてみてください。

  • D2Cモデル
  • オンラインサービス

D2Cモデル

D2Cモデルとは「Direct to Customer」の略で、近年非常に注目されているビジネスモデルの一つです。

今まではメーカーが中間業者を通して消費者に商品やサービスを届けるのが一般的でしたが、近年ではこれを「直接消費者に」購入してもらうケースが増えています。

この要因としては、メーカーが簡単に自社のECサイトを持つことができるようになったことが挙げられます。
消費者としても中間マージンを省いた価格で商品を購入することができ、メーカー側としては直接消費者の顧客情報を得ることができます。

振り返ってみても、百貨店やデパートなどで商品を購入する機会が減ってきたなと感じている方も多いのではないでしょうか。

オンラインサービス

近年のコロナウイルスの感染拡大も引き金となり、オンラインサービスの幅は大きく広がっています。
対面で話す機会が急激に減り、会議や出張はオンラインになり、飲み会までもがオンラインになっている時代です。

もちろん、これによるデメリットも多くありますが、多くの人がオンラインサービスの利便性に改めて気づくきっかけになったもの事実でしょう。

このような状況は今後も続いていくと考えられる中、新たなニーズが生まれてくるのは必然といえます。
そのニーズを探ることで、新規事業アイデアのヒントを見つけることができるかもしれません。

まとめ

本記事では、新規事業が思いつかない際の発想法とフレームワークという点を中心に解説をしてきました。
日々新規事業が生まれては消える飽和状態の中で、画期的なアイデアを生み出し事業を立ち上げることは簡単なことではありません。

しかし一方で、時代に合った新たなビジネスに着手しなければ、この先企業として生き残れないかもしれないという不安があるのも事実ではないでしょうか。

アイデア発想に始まり、実際にそれを事業として立ち上げるまでのアクションに漕ぎ着けるためにも、その方法や考え方を理解しておくことは非常に重要です。

本記事が「新規事業を始めたいけど何も思いつかない」と悩んでいる方の参考に少しでもなれば幸いです。

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