新規事業アイデアの発想方法—アイデアを生み出すためのフレームワーク

日々新たな新たなビジネスが生まれる現代において、いかに有望な新規事業アイデアを生み出すかというのは企業の大きな課題となっています。
時代が変わればもちろん世の中のニーズも変わっていきますし、特に変化の激しい近年のビジネス環境では、時代の変化に対応した新規事業を生み出していかなければ企業として生き残っていくのは非常に難しくなるでしょう。

「では新規事業を始めよう!」といっても、アイデアを生み出すのはそんなに簡単なことではありません。
特に今までにない新しいものといえば尚更でしょう。

本記事では、主軸として新規事業アイデアを出す際に有用な発想法やフレームワークについて解説します。
新たなアイデアを生み出したくてもなかなか思い浮かばないという方の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。

目次

求められる新規事業アイデアとは

まずは、そもそもどのようなアイデアが有望な新規事業アイデアとして考えられているのか見ていきたいと思います。
ここではそのヒントとなる4つのポイントをご紹介します。

  • 収益性があるか
  • 現実的か
  • 実行可能か
  • 情熱を持てるか

収益性があるか

企業として事業を行う以上、収益性は欠かすことのできない条件となります。
いくら素晴らしいアイデアが思いついたとしても、収益性がなければ企業としてその事業を続けていくことはできません。

仮に短期的な収益が見込めないとしても、中期的に考えたときに有益な投資となるビジネスモデルなのか、しっかりとその市場の中で戦っていけるだけの規模を自社が持っているのかというバランスを考えるようにしましょう。

現実的か

実際に事業を起こす市場について考えたときに、仮にそこがブルーオーシャンだと考えられる市場だとしても、だからといってそこにニーズがあるとは限りません。
むしろ、ニーズがないからこそブルーオーシャンだという可能性もあります。

「どのようなニーズがあるからこそその市場があるのか、その市場に参入することでどのような結果が見込めるのか」といったことを具体的に説明できる状態である必要があります。

実行可能か

企業として新規事業を実行するためには、会社を納得させるだけの説得力が必要です。

当たり前の話ではありますが、実行不可能と考えられるものは会社として承認するのも不可能です。
アイデアが斬新なものであればあるほど、より詳細な説明ができるよう準備をする必要があるでしょう。

情熱を持てるか

最後のポイントは「情熱」です。
上記の条件を全てクリアしていたとしても、新規事業アイデアを生み出し実際に遂行していくためには様々な困難をクリアしていく必要があります。

そのために最も重要なのが「情熱」です。
「なぜそのアイデアを実行したいのか」というアイデアへの熱意も問われるでしょう。

新規事業を生み出すための発想法

前述したように、何もないところから新しいアイデアを生み出すのは至難の技です。
次に、新規事業アイデアを生み出すための発想法を4つご紹介します。

  • 既存事業の長所と短所の分析
  • 競合他社の分析
  • 他業種の手法を取り入れる
  • 前例のない付加価値を見出す

既存事業の長所と短所の分析

新規のアイデアを考える際に、まずは自社の既存事業の長所と短所の分析から始めるのがおすすめです。

自社のサービスや商品について「なぜ」という疑問を問いかけていくことで、自然と自社の強みが浮き彫りになってきます。強みがわかれば、その強みを活かす方法が他にないのか、どの分野でなら他社と戦うことができるのか、また、何が足りていないかという短所も見えてくるでしょう。

既存事業をベースに考えはじめれば、まったくのゼロから考え始めるよりも考えやすいはずですし、このようなかたちで考え始めてみるのが良いでしょう。

競合他社の分析

自社の分析だけでなく、同様に競合他社の分析を行うことで異なるヒントを得ることができるかもしれません。

他社が行っている事業で自社に取り込めるものがないか、逆に他社が行えていない事業で自社でできるものはないか、など、新規事業のヒントが隠されている可能性は大いにあります。
自社だけに限らず他社もしっかりと分析するようにしましょう。

他業種の手法を取り入れる

同業界に限らず、異業種のビジネス手法に目を向けてみることも時に有用です。
例えば近年のテレビのインターフェースはスマートフォンを参考にしています。
このように、異業種に目を向けることで、予想もしていなかったアイデアのヒントを見つけることができるかもしれません。

前例のない付加価値を見出す

今まで価値がないと考えられていたものが、時代が変わることによって大きな価値を生み出すことがあります。
例えば、今まではただの廃棄物と考えられていたものが新たな素材として注目されたり、企業向けに販売していたものに対して意外にも個人消費者からのニーズがあったりと、視野を広げてみるとこのような前例は多々あります。

現在の価値観だけに捉われず、視野を徐々に広げていくことで新たな価値観を発見できることもあるでしょう。

新規事業を生み出すためのフレームワーク

どうしてもアイデアが思い浮かばない際には、フレームワークと呼ばれる枠組みを使った技術を利用するのがおすすめです。フレームワークとは、意思決定やアイデアを発想する際の作業をテンプレート化したノウハウのことを指します。

フレームワークには様々な種類がありますが、ここでは新規事業アイデアを発案する際に有用なフレームワークを5つご紹介します。

マインドマップ

こちらは経営者に良く使われているフレームワークで、まずは発想の起点となるキーワードを紙の中心に書きます。
そして、そこから連想される単語を枝を伸ばしていくイメージでどんどんと書き出していきます。

アイデアをまとめたり整理する前に、まずは連想したものをひたすら書き出していくのがポイントです。
頭の中にある考えが可視化されるので、アイデアのヒントとなる概念や問題点を整理しやすくなります。

特に特別な手法が不要で簡単に誰でもできるので、社内の多くの人材が活用することができます。

形態分析法

形態分析法とは、テーマとなる概念を「変数」に分解し、変数ごとに選択肢となる要素を組み合わせて新たな発想の支援を行うフレームワークです。

難しく聞こえるかもしれませんが、例えば「新しい雑誌」をテーマとした場合、「ターゲット」「ジャンル」「価格」といった項目を変数として挙げることができます。
そして、これらの項目に対しての要素を洗い出していきます。

ターゲットとしては、「サラリーマン」「主婦」「若者」「高齢者」などが挙げられます。
この場合、「若者」に対しての「ジャンル」と「価格」、「主婦」に対しての「ジャンル」と「価格」というように考えて書き出していき、チャートに落とし込んでいきます。

このようにいくつも「変数」と「要素」を組み合わせていくことで多くのアイデアのきっかけを作ることができるのがこのフレームワークの特徴です。

SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER法とは、7つの異なる角度から考えることで発想するフレームワークであり、考案者の名前を取り「オズボーンのチェックリスト」とも呼ばれます。

具体的な7つの視点は下記となり、それぞれの頭文字を取りSCAMPER法と呼ばれています。

S: Substitute(他に置き換えることはできるか)

C: Combaine(組み合わせられないか)

A: Adapt(他に似たものはないか)

M: Modify(変更できないか)

P: Put to other uses(他に使い道がないか)

E: Eliminate(何か取り除けないか)

R: Reverse(逆にしてみたらどうか)

このチェックリストにアイデアを当てはめていき、新たなアイデアを考えていきます。

ブレインストーミング

ブレインストーミングとは、5〜10人のグループが集まり、各々が思いついたアイデアを書き出していくフレームワークです。「出たアイデアを否定してはいけない」「結論を出してはいけない」「変わったアイデアもどんどん出す」「質より量を重視」などのルールがブレインストーミングにはあります。

ブレインストーミングで大事なのはとにかく量を出すことです。
また、アイデアを否定してはいけないので、普段なかなか意見を出せない従業員も含めて意見が積極的に飛び交う場を作ることができます。

KJ法

KJ法は、たくさん出てきたアイデアを整理するのに役立つフレームワークです。
1つのアイデアを1つのカードに書き、つながりのあるアイデアをまとめて図解にしていきます。
共通項のあるアイデアをまとめて可視化することで、すべてのアイデアをより理解しやすくなります。

新規事業アイデアについてのまとめ

今回の記事では、新規事業アイデアを生み出すための発想法、特にフレームワークを中心に解説をしました。
何度も述べたように、新規事業アイデアを発案し、実際に稼働し成功させることは非常に困難な作業となります。

しかし、多くの企業が新規事業の立ち上げを考えているといっていいでしょう。

新規事業を立ち上げる際に最も大事なのはそもそものアイデアです。
この時点で、斬新なアイデアを発想できれば、その事業の成功率も大きく上がることでしょう。

ぜひ新規事業を立ち上げたいと考えている方は、本記事を参考にしてアイデアを生み出すためのきっかけにしていただければ幸いです。

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