新規事業参入で成功する共通のポイントを解説!成功した新規事業事例

ベンチャー企業や大手企業など、新規事業に積極的に取り組んでいる企業が多いです。

時代の流れは早く企業や消費者の動向は変化し続けており、情勢が変わるにつれて企業も求められるものが変わってきます。

消費者ニーズの移り変わりのサイクルが早くなっている現代においては、既存の事業が順調でも、いずれその商品・サービスが飽きられることもあります。そこで今回は新規事業に参入しようと検討している経営者が知っておきたい成功する共通点や事例を紹介していきます。

目次

新規事業の成功と失敗する共通点

新規事業が成功する企業に共通する特徴

人材の育成と積極的な採用ができている

新規事業を成功させるためには、人材の育成とチームの意欲を高める環境作りが大きなポイントになります。新たに人材を採用した場合、従業員のチームにおける役割をはっきりさせ、その役割に責任を持たせるように教育していくことが必要になります。

事業のビジョンをチームで共有し合いながら、自分の役割を理解できる仕事環境を整えましょう。いい人材が育つことでいい事業が育ち、事業が育つことでまたいい人材が集まる場になっていきます。このサイクルが新規事業の成功に繋がります。

新規事業のメリットは社員の人材育成です。若手社員を、将来の有能な経営幹部候補に育てるには、1から事業を立ち上げていく過程で、ビジネスの根本から学べる機会を与えた方がいいからです。

ビジネスモデルの迅速な仮説検証サイクル

新規事業は、とにかくスピード感が重要になります。クレームや企業の信用失墜を恐れ、とにかく完璧な状態で世に出そうとするあまり、消費者の声に耳を傾けず机上の検討に割く時間があまりにも長いと、事業の失敗に繋がりかねません。のんびりと長い時間をかけてようやくリリースした頃には、ベンチャー企業などの競合他社にあっという間に先を越されてしまいます。

これを避けるためには、一つのプロジェクトに対して、市場からのフィードバックを迅速に検証して、学習していくサイクルを作ることが大事になってきます。

ターゲット設定を明確にする

新規事業に限らず事業というのは、まずターゲットが明確であることが極めて重要です。すきま産業・ニッチマーケットとも言われますが、新規事業の場合は市場に強いライバルのいない市場をいかに見つけれるかが成功の秘策でもあります。

例えばターゲットが女性でも、働いている女性なのか、主婦なのかでも事業の方向性が変わってきます。さまざまな視点からターゲットを絞っていくことが重要です。そうすることでターゲットに対する想定ライバル数と、消費者の潜在的な悩みがあぶり出され、自社の得意を活かせる競合の少ない市場を見つけ出すことができます。

システム化指向の新規事業開発

新規事業を成功させるためには、ビジネスをシステム的に捉えることが大切です。成功している新規事業には、システム化によって生産性を上げ、コストや情報の競争力を向上していこうとする共通点があります。どこをシステム化するべきかについては、事業の性質や企業規模によって変わってきます。生産分野に限らず、販売・マーケティングの分野、運営、管理分野など、広い視点で見極めましょう。

システム発想で事業化することで、例えば成熟産業への新規参入であっても、新たな市場を創造できる可能性があります。消費者ニーズを迅速に反映できる社内フローをきちんとシステム化しておくことで、消費者にとって既存他社にはない魅力を打ち出せます。

新規事業が失敗してしまう企業に共通する特徴

仮説検証が遅い

新規事業の場合は、ニーズを把握してから提供するまでのスピード感が重要です。新規事業に挑戦するも現実的には軌道に乗ることなく衰退してしまうことも多い。大企業ほど意思決定のフローが長いことから、机上検討に時間をかける傾向があります。

市場に出遅れないように、最初から仮説だけで大きくスタートするのではなく、まずは小さくスタートしてみましょう。それから消費者のニーズを深掘りして、それに応えながら市場の中で大きくなっていくサイクルが理想です。

ビジネスモデルが十分に検討できていない

事業が失敗する要因の多くは、需要予測や市場の読み違えが起因しています。思いつきで行動することが悪いというわけではないですが、あまりに楽観的な需要予測に基づいたまま事業化計画を進めてしまうと、軌道に乗れない時に適切な打開策を見つけられないまま衰退する恐れがあります。

人材のリソースが不足している

大企業で新規事業開発を行う場合、関連する事業部からメンバーが招集されることが多く、本来の事業と兼務で請け負うデメリットがあります。優秀な人材ほど既存事業の負担が大きく、新規事業に入れ込めない傾向があります。

新規事業を始めるときには、まずは熱意やアイデアを持ち、共通の意識を持つ社員を中心に少人数のチームを組成することがポイントになります。外部の起業経験者などから知見を吸収する機会を早い段階から設け、新しい人材を積極的に雇用するなどして、新規事業チームが意欲的になれる環境を作ることが大事です。

撤退基準が不明確

新規事業は、はじめることは簡単ですが、やめることは意外と難しいです。新規事業をはじめる時は、最初にやめる基準を明確にしておく必要があります。事業が上手くいってる内に事業領域の最適化のために撤退する積極的な理由の場合はいいですが、赤字や不況などで、やむを得ず撤退するときが難しいです。

撤退のタイミングに困ったときは、貢献利益を基準にしましよう。貢献利益は、売上高から変動費と直接固定費を差し引いたもの。貢献利益が黒字ならその事業から利益が出ているということになります。そのため営業利益が赤字になっていても、貢献利益が黒字の場合は経営次第で営業利益も黒字にできる可能性があります。

もし貢献利益が赤字だった場合は、貢献利益が黒字にできそうなのか費用を見直す必要があります。改善できる余地があれば撤退せずに再スタートを切るのもいいでしょう。

企業の新規事業の成功事例6選

成功事例1|ホンダ

日本を代表する自動車メーカーのホンダです。ホンダは、1964年にホンダ航空株式会社を設立し、航空機開発に着手していました。ホンダジェットは自社開発の高性能エンジンを搭載し、ライバル企業の機種を性能面で圧倒しています。本事業で高めた自動車製造の技術を活かして成功した事例です。

成功事例2|ヤマト運輸

ヤマト運輸は配達員の日々の宅配サービスの現実から問題を発見し、その解決策を提案するという品質改善システムがあります。日常の業務範囲で各々メンバーが社内ベンチャーのような思想で動いています。そこから、クロネコ家電Dr.修理サービスなどの付加価値がある宅配サービスがはじまりました。

一般的に家電が故障した場合、販売店やメーカーに問い合わせて自ら梱包・発送するなどの時間と手間がかかってしまうのですが、このサービスは、故障した家電製品について、ヤマト運輸に連絡すれば、回収・修理・返却までを行うものです。

取り扱いはパソコンやデジタルカメラに限定され、ヤマト運輸株式会社では「パソコン宅急便」と呼ばれる精密機器を安全に搬送するサービスを運用していて、既存のリソースの活用という面でもリスクが少ないです。

成功事例3|スマイルズ

大手企業の三菱商事の事例です。その外食サービス事業の担当者が出向していたケンタッキー・フライド・チキンでスープの持つ可能性に焦点をおいて、三菱商事から社内ベンチャーとして派生したのがスマイルズです。スマイルズは女性をターゲットにした「無添加、食べるスープ」をコンセプトに、うま味調味料や保存料を使わずに手間やコストをかけて素材の旨味を活かしたSoupStockTokyoを運営して成功を収めました。

成功事例4|ユニ・チャーム

日常生活品のメーカーといったイメージがあるユニ・チャームは、幼児教育・結婚情報サービス事業など多角化を進めていました。しかし、不要な経営資源の分散を招き方向転換。現在は生理用品分野で高めた不織布と吸収体の加工・成形技術に集中して、これを応用して多くの分野に進出しています。

この技術はマスクや医療分野、ペット用のトイレットシートや紙おむつなどさまざまな領域で応用しています。選択と集中で自社が得意なもので勝負して、その用途で新規事業を開拓しています。

成功事例5|パナソニック

大手家電メーカーのパナソニックは、2014年に農業に参入しました。自社のデジタルカメラの工場を利用し、人工光型の野菜工場を稼働してレタスやほうれん草など、多くの野菜を食卓に届けています。

パナソニックと農業という組み合わせは意外に感じますが、パナソニックは何十年もの間、空調や水回り、防蛾灯などを農業者に販売してきた実績があります。これらの製造・販売で培った技術とノウハウにより新規事業を成功させています。

成功事例6|日本郵政×Yper株式会社

日本郵政株式会社では、置き配バッグ「OKIPPA」を使った玄関前などでの置き配をはじめました。配送業務の人員不足を軽減したり、コロナへの感染リスクを抑えることができます。

置き配はこれまでも宅配ボックスを活用する方法がありましたが、あまり導入が進んでいませんでした。Yper株式会社が運用する折りたたみバッグ式のOKIPPAなら低価格で導入しやすく、配送大手の8社の配送状況を専用のアプリから確認することができます。これによりOKIPPAを活用した新規事業は、配送業務の人手不足を解消しました。

まとめ

新規事業はなんとなくで進めてしまうと失敗するリスクが高くなってしまいます。うまくいっている新規事業の立ち上げの考え方や、取り組みから学びを得て自社の新規事業の参入に活かしていきましょう。

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