マネジメントコンサルティングは一般のコンサルと何が違うのか 代表的なコンサル会社の年収、役立つ資格も紹介

コンサルティングおよびコンサルタントについては何度か取り上げてきましたが、今回は「マネジメントコンサルティング」にフォーカスしてお話したいと思います。主に次の内容について解説します

  • マネジメントコンサルティングとは
  • マネジメントコンサルタントの仕事、年収、資格
  • 代表的なコンサル会社について紹介
目次

マネジメントコンサルティングとは

マネジメントコンサルティングとは、企業が経営戦略・事業構想に基づき円滑に業務を行えるよう、総合的にサポートすることを指します。 

マネジメントコンサルタントの業務内容

マネジメントコンサルタントはどのような仕事をするのか。マネジメントコンサルタントが担うのは、主に組織改革など経営課題の解決です。この業務は大きく次のように分けられます。

  • 会社組織の見直し・改善提案
  • 経営課題の解決

マネジメントコンサルティングの流れと注意点

上記の2つの業務の流れと、それぞれを行うときの注意点は次のようになります。

会社組織の見直し・改善提案

  1. クライアントの要望や問題についてヒアリング
  2. 課題の原因を突き止めるための調査や仮説検証
  3. 課題を解消するため、会社組織を見直す
  4. 課題が起こりにくい組織構築の提案

組織改善を行うときに注意するべき点は2つあります。

  • 目の前の課題を解決するだけではなく、そもそも課題が起こりにくい組織を構築する。
  • 業界が異なれば、組織改革の方法は全く異なるため、多種多様な業種についての理解と知識、そして経営幹部から現場の責任者やアルバイトまで多くの視点に立って思考する。

一般的なコンサルティングに求められるのは、目の前の問題の解決です。しかしマネジメントコンサルディングの組織改善は経営者的観点から行うものなので、長期的で広範な視座に立つ必要があります。目標や課題の原因も解決策も幅広く、組織再編の提案内容も、業種や組織ごとにカスタマイズする必要があります。経験や前例を活かすことはできますが、一つとして同じものはないのがマネジメントコンサルティングです。そのためマネジメントコンサルタントとして成功するには、深くて広いビジネスとマネジメントの知識とスキルが求められます。

経営課題の解決

組織改革と並び、経営リスクの診断や課題解決といった戦略領域もマネジメントコンサルティングに求められる業務です。基本的な業務の流れは組織改革を行う場合と同じです。経営課題の解決を行うときに注意するべき点は2つあります。

  • 課題に対する原因と解決策をあらゆる角度から検証する。
  • 対象範囲が広ければ複数の人材に対し、配置、担当業務の選定、リーダーシップといった知識だけでなく実務スキルも必要になる。

マネジメントコンサルタントは、企業のコアな部分に入り込んだうえで、広い知識や多角的な視点をもって、トップからロウヤーまで、組織図の中のあらゆる階層に入り込んで相応しいスキルを発揮する必要があります。販売方法や宣伝方法だけではなく、経営体制から見直すような大々的な改善では、長い時間と多数の人材の協力を必要とします。マネジメントコンサルタントはプロジェクトリーダーと言い換えることもでき、リーダーシップが求められます。

プロジェクトマネージャーとコンサルタントの違い

マネジメントコンサルタントにプロジェクトリーダーとしてのリーダーシップが求められるのであれば、プロジェクトマネージャーとコンサルタントの違いは何なのかという疑問が出てきます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの立ち上げから終了までを担当します。 コンサルタントはクライアント企業の経営課題を把握し、課題解決のための導入、変更、計画など、提案が仕事で、プロジェクト以前の業務を担います

マネジメントコンサルの年収と資格

コンサルタントの年収は、外資か、大手か、専門分野は何か、経験年数などによってかなり差があります。コンサル自体の平均年収は約425万円だと言われていますが、マネジメントプロジェクトの責務を担うマネージャーポジションのコンサルタントの年収の目安は、戦略コンサルの場合はベース給が約1,500〜2,000万円です。

アクセンチュアの年収

大学生が就職したい企業ランキングでも圧倒的人気のアクセンチュアのコンサルタントの年収は、700万円〜850万円です。アナリストからコンサルタントに昇格するまでには、おおよそ3年〜5年かかり、まずはマネージャーによって設計され割り振られたタスクを実行します。アクセンチュアでは、SE(ソリューション・エンジニア)は10年で、ビジネス・デジタルコンサルタントは5年でマネージャーになれるモデルで、一般企業と比べて昇進が非常に早いです。アクセンチュアの年代別平均月収と初任給を紹介しましょう。

【アクセンチュアの年代別平均年収】

25歳 582万円

30歳 750万円

35歳 938万円

40歳 1119万円

45歳 1280万円

【アクセンチュアの初任給】

大卒・院卒・高卒専攻科

・東京/関西採用: 初年度年俸4,300,000円(基準年俸)+業績賞与 年1回(12月) 

・札幌採用: 初年度年俸4,000,000円(基準年俸)+業績賞与 年1回(12月)

他大手コンサルの年収

アクセンチュア1社しか紹介しないのもどうかと思いますので、同じく大手コンサルとして名高いデロイトトーマツの社員についても紹介したいと思います。デロイトトーマツの社員の平均年収は938万円となっています。年代別の年収については、25歳で年収632万円、30歳で年収851万円、35歳で年収1,096万円と推定されます

マネジメントコンサルタントが取得するべき資格

マネジメントコンサルタントになるために最も必要なことは、経験と実績を積み上げていくことです。しかしそれ以外にも、これから述べる資格を取得し、貴方のレジュメの価値をあげることも有用です。

  1. MBA
    2年間大学院に通って得られる経営学修士号、MBA(Master of Business Administration)は、企業経営にまつわる財務、人事、法務、そしてあらゆる問題解決能力を幅広く網羅的に学ぶことができます。実践的なカリキュラムが多く、マネジメントコンサルタントとして必要なリーダーシップやマーケティングなどが習得できます。ただし多額の学費と、入試から修了までの時間と労力が必要です。しかしながら、社会人大学院の夜間と土曜日のみで卒業できるコースもあります。
  1. 中小企業診断士
    中小企業診断士の資格は、MBAに比べて取得しやすいです。中小企業の経営課題に対応し、診断や助言を行うための専門的な資格です。日本企業の9割以上は中小企業であり、どんな大企業にも子会社、出資先、取引先と中小企業が関わっています。独学での取得も可能ですが、一次試験は2日間かけて7科目を受験し、二次試験は筆記試験の他さらに面接試験もあります。
  1. ビジネスマネージャー検定試験
    まずは何か民間資格から始めたいと考えるなら、ビジネスマネージャー検定試験がおすすめです。東京商工会議所が開設した「あらゆるマネジャーが共通して身につけておくべき重要な基礎知識」を効率的に習得する資格です。試験内容は「マネージャーの役割と心構え」「人と組織のマネジメント」「業務のマネジメント」「リスクのマネジメント」と実践的なマネジメント知識です。PCで受験するIBTタイプの試験で、受験料も1万円以下です。

効果測定と成果の持続性

マネジメントコンサルティングの効果測定と成果の持続性は、組織の成功にとって重要な要素です。以下では、効果測定の方法や成果指標の設定、フィードバックと改善のプロセス、そして持続的な成果の確保策について解説します。マネジメントコンサルティングの効果を最大限に引き出し、組織の成果を持続させるための貴重な情報を提供いたします。

成果指標の設定と測定方法

成果指標の設定と測定方法は、組織の目標達成と成果評価において重要な役割を果たします。まず、明確で具体的な成果指標を設定することが必要です。これには、目標の定義、期間や数量の明確化、および関係者の合意が含まれます。次に、適切なデータ収集方法と指標の測定手法を選定し、データを定期的に収集・分析します。これにより、進捗状況や成果の可視化が可能になります。また、定期的な評価とフィードバックのプロセスを組み込むことで、成果の進捗状況や課題を把握し、必要な改善策を実施することができます。最後に、成果指標の結果を継続的に評価し、目標達成に向けた調整や戦略の見直しを行います。適切な成果指標の設定と測定方法により、組織の成果を客観的に評価し、持続的な改善と成果の実現に向けた戦略的な意思決定をサポートします。

フィードバックと改善

マネジメントコンサルティングにおけるフィードバックと改善の要素です。まず、現状の評価と分析を通じて、組織の課題や改善のポテンシャルを明確に把握します。次に、関係者との密なコミュニケーションを通じてフィードバックを収集し、課題や改善の方向性を明確化します。また、データや分析を活用して客観的な視点からのフィードバックを提供し、意思決定や改善活動をサポートします。さらに、フィードバックをもとに具体的な改善アクションプランを策定し、実施とモニタリングを行います。持続的な改善を実現するためには、フィードバックの収集と改善のサイクルを継続的に回し、組織全体の学習と成長を促進します。

持続的な成果の確保

マネジメントコンサルティングにおける持続的な成果の確保には、以下の要素が重要です。まず、組織のニーズと課題を正確に把握し、カスタマイズされた戦略やソリューションを提供します。また、組織内のプロセスやシステムを評価し、改善の機会を特定します。さらに、組織の文化やリーダーシップを考慮し、変革のためのサポートを提供します。そして、持続的な成果を確保するために、組織内のステークホルダーと連携し、成果のモニタリングと評価を行います。これらの要素を組み合わせることで、マネジメントコンサルティングは持続的な成果をもたらすことができます。

有名コンサルティング会社

最後に数あるコンサルティング会社の中から、知っておきたい一流のコンサルティングファームをご紹介しましょう。何をもって一流、トップと定義するかについては様々な意見があると思いますが、参考にしてください。

一流のコンサルはどこと尋ねられたら

「一流のコンサル会社」という時に必ず名前があがるのが、次の5社です

  1. アクセンチュア
    アイルランドのダブリンに登記上の本拠を置く多国籍企業。実質の本社はシカゴとニューヨークと言われている。フォーチュン・グローバル500に選ばれており、世界120以上の国の企業を顧客として持つ。近年は、アウトソーシング事業にも力を入れている。
  2. デロイトトーマツコンサルティング
    本社所在地は日本。デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(略称:DTC)は、世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツ(デロイト)の主要メンバー企業。世界150ヶ国、25万人以上の専門家が連携し、経営戦略、M&A、ITアドバイサリーなど多岐にわたるサービスを提供する世界最大級のグローバル経営コンサルティング会社である。
  3. ボストンコンサルティンググループ
    ボストンコンサルティンググループ(略称:BCG)。アメリカ合衆国に本社を置く。早くから日本市場での展開を始めたグローバルな戦略系コンサルティングファームである。世界的企業上位500社の3分の2がBCGのクライアントであり、マッキンゼー・アンド・カンパニーと並ぶトップカンパニーである。「経験曲線」や「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」といった経営コンセプトの開発もしている。
  4. アビームコンサルティング
    本社は日本、東京。「日本発、アジア発のグローバルコンサルティングファーム」という看板を掲げている。
  5. ドリームインキュベータ
    東京に本社を置く、戦略コンサルティングおよびベンチャー投資事業を軸に、企業の事業創造を支援するビジネスプロデュース企業。堀紘一氏が2000年に創立し、長年にわたるコンサルテーションや投資ビジネス実績によって培った知見とネットワークを駆使し、産業および事業の構想から実行までをワンストップで支援するのが特徴。

日本の有名コンサル

日本国内で絶対的な地位を築いている歴史あるコンサル会社が、次の2社です。

  1. 野村総合研究所(NRI)
  2. 日立コンサルティング

まだまだある大手コンサル

上記の名前を見て「あれ、〇〇の名前がないぞ」と感じた方もいるのではないでしょうか。挙げればきりがないのですが、下記の2つも、コンサルティング業界を目指すなら熟知しておきたいものです

  1. PwC
    ロンドンを本拠地とし、世界157カ国742拠点に276,000人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるプライスウォーターハウスクーパース。デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)と並び、世界4大コンサルティングファーム(Big 4)と呼ばれている。
  2. マッキンゼー
    マッキンゼー・アンド・カンパニー。アメリカ合衆国に本社を置く大手コンサルティング会社。1971年に初のアジア拠点として、東京オフィスを開設した。

こちらも世界のBIG5、BIG4を語る時には、デロイトトーマツコンサルティングやボストンコンサルティンググループと並んで必ず名前があがるコンサルファームです。

まとめ

今回は、企業の経営の推進を目的として経営戦略・事業構想に則った業務遂行が円滑に行えるよう、総合的にサポートする「マネジメントコンサルティング」について取り上げました。この記事でわかることは、以下のとおりです。

  • マネジメントコンサルティングとは
  • マネジメントコンサルタントの仕事、年収、資格
  • 代表的なコンサル会社について紹介
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次