業務改善のアイデア事例をご紹介！　会社を成功へと導く進め方

2023年4月12日2023年5月12日

業務効率化、業務改善の実行を通して、社内の無駄をなくすことが、企業にとって急務になっています。しかしながら、業務改善を速やかに行うためには、まず業務改善の事例、アイデアの出し方、進め方、注意点などを理解する必要があります。この記事では次の点について解説します。

業務改善が必要な理由
業務改善のアイデア事例
業務改善の流れ
業務改善を成功させるためのポイント

業務改善とは

業務改善とは、自社のビジネスや業務における問題や課題を発見して解決し、より効率や生産性を上げることで、具体的にはムダをなくすため業務プロセスを継続的に点検することです。製造業ではQCDの改善を目標にあげ、PDCAサイクルを回すことで、顧客満足度を向上させます。

Q：Quality（品質）：最優先要素。アウトプット（成果）の品質は、常に向上、少なくとも現状維持すること。

C：Cost（コスト）：人件費や、経費などの人的、金銭的コスト。削減を目指し、少なくとも現状維持。

D：Delivery（納期）：業務の開始から終了（アウトプット）までの期間とスピード。タイムマネジメント（時間の管理）が、改善のために重要。

この３つの要素は、どれか1つのみを優先すると、他の要素が悪化するという関係性にあります。そのため次の2点に注意が必要です。

最も優先すべきは「Quality（品質）」。品質基準を満たすことが、納期やコストよりも優先されます。
ただし、すべての要素をバランスよく改善することが、業務改善を実現するうえで重要。

業務改善が必要になる理由

近年の人材不足と働き方改革の推進によって、日本の企業は業務改善を必要としています。

深刻な少子高齢化により、生産年齢人口も減少の一途を辿っており、人材は絶えず不足しています。企業が成長し利益を上げ、競合に勝ち生き残り続けていくためには、人手不足を克服する必要があります。そこで業務改善が重要になります。また、働き方改革の推進でワークライフバランスが重視されています。業務改善によるムダな労働時間の削減は、担当従業員の負担を減らすのみならず、より付加価値が高い業務に専念できることで生産性の向上にも繋がります。

業務改善のための実際に使えるアイデア事例

業務改善を始めるにあたって、どのような改善を行うかのアイデアを探し業務改善提案します。この段階で、何が問題なのか、どう改善すればいいのかわからず、アイデアが出ないまま行き詰ってしまうことは少なくありません。アイデア出しの参考になるよう、中小企業で行われた業務改善の事例など実際に使えるアイデアを紹介します。小さな業務改善もありますが、業務改善は決しておおがかりなものであれば良いというものではなく、この事例集が皆さんの気付きやネタ探しになれば幸いです。

作業の自動化

作業の自動化は、ルーティン作業にとられていた労働時間を短縮できるのみならず、人為的ミスを防ぐこともでき一石二鳥です。例えばエクセルvbaを取り入れれば、マクロを組み、ルーティンを1クリックで完了することができます。

業務のマニュアル化

定期的に発生する業務はマニュアル化すると効率化が図れます。マニュアル化の最大のメリットは、誰が取り組んでも同じ結果が期待できるという作業の均一化です。成果の質を上げるためには、読み手が理解しやすい、わかりやすいマニュアル作成が必要です。マニュアルを読んでも内容が不明で、逐一、はじめから意味を解説して貰う必要があるならば、それはマニュアルとは言えません。

書式の統一

意外かもしれませんが、書式を統一することも業務効率化の一つの例です。資料によって書式が異なると、読みにくいだけでなく、見落としや誤解も増えます。また社内で統一してしまえば、資料作成時に書式を考える必要もなくなります。

業務のフローチャートの作成と共有

業務の流れをフローチャート化しておくことも効果的です。業務内容が複雑になれば、自分の作業内容だけでなく、全体の流れを把握することが大切ですが、フローチャートは作業の始まりから完了までを明示します。

文書の電子化

文書の電子化は、多くの企業で既に実践されています。会議資料や業務マニュアルなどを文書化すれば、印刷やコピーなどの手間と経費が省けます。また最近では社内承認だけでなく、企業間の契約書についてもクラウド上で締結できるサービスを取り入れる企業が増えています。

ムダな業務の洗い出し

ムダを省くことは業務改善の基本ですが、必ず無駄な業務は存在します。そして定期的に洗い出さなければ知らないうちに増えていくのが、「ムダな業務」です。

アウトソーシングの活用

ムダな業務であれば「なくす」ことができますが、実際には「必要だけれども、非効率な作業」というものも存在します。ルーティン化されたもの、または専門的なスキルを必要とするものであれば、その業務をアウトソーシングすることも考えられます。アウトソーシングとは、業務の一部を社外の専門企業などに委託する仕組みであり、昨今、多くの企業で導入されています。人件費の削減に繋がります。

業務担当を変える

業務担当を変えるのも業務効率化の代表的な事例です。個人の適正や能力に合った分野に業務担当を変えることは、大幅な業務効率化につながります。ただし、人材育成とのバランスも必要ですし、偏った配置はリスクになることがあります。担当部署の役職者や人事担当者が従業員とコミュニケーションを図り、現状と将来の両方を考慮するべきです。

PCのショートカットキーの利用

誰でもできる小さな改善でありながら有用なのが、PC作業時のショートカット機能の導入です。ショートカットとは、PCの作業を簡単な操作で行えるようにした機能で、キーボード上で行う「ショートカットキー」が代表的です。また、よく使うアプリなどを1クリックで呼び出す「ショートカットアイコン」や、固有名詞などを予め登録する「辞書登録」なども有効なので、取り入れると良いでしょう。

AI導入

AIは、コンピューターが人間の頭脳と同様に物事を判断し実行するシステムです。AIを導入すれば、人力では多くの時間や労力を必要とする作業が難なく実行できます。ただし、開発には大きな費用がかかりますので、導入には費用対効果の十分な検討が必要です。

グループウェアの活用

タスク管理やファイル共有など様々な機能があるグループウェアを活用すれば、社内の情報共有の手間を省くことができ、社内コミュニケーションが円滑化します。部門や役職の垣根を超えた社員同士のコミュニケーションも推進でき、社内活性化にも効果があります。

botヘルプデスク

自動回答システムのbotをヘルプデスクに導入することで、顧客や社員から問い合わせの多い質問に対応する必要がなくなります。

会議時間短縮

通常の会議は、複数の社員が同じ時間を共有するため、業務が中断され、人件費の負担が高いです。次のような改善が効果的です。

会議の時間の短縮
参加人数を絞る
事前に会議資料は配布する
会議の目的を明確化する

リモートワークの導入

リモートワークも広がっています。自宅からネットを利用して仕事ができれば、通勤の時間やコストを削減できます。バブル期に見られた「新幹線通勤」の対極だと言えるでしょう。

Web面接導入

特に採用面接が複数回にわたる場合、遠方の求職者の負担は大きいです。そのため、優秀な人材を採用する機会を逃している可能性もあります。また企業側も採用事務にかかる手間やコストを抑えられます。

業務改善の進め方

業務改善すべき課題を洗い出し、改善アイデアを出し、計画を立て実行し、PDCAサイクルを回すその流れを解説します。

現状把握

まず最初のステップは現状把握です。業務の棚卸しを行いますが、その際に、担当部署・担当者、作業にかかる工数、発生頻度、必要なスキルなどをまとめておくと、後ほど改善アイデアが出しやすくなります。

課題や問題点の洗い出し

次に課題や問題点を洗い出します。例として、複数の従業員が重複して行っている作業などがあります。これらの工程は「ムダ」でないか、検討します。また属人的な業務で、特定の担当者以外は処理できないものも課題ですし、時間的コストが高過ぎる業務もリストアップします。

スケジュール作成

改善すべき業務を決定し、次に業務効率化の方法を検討します。重複している工程を省く、作業を行う順番を変更するなど色々な方法があります。そして取り組み開始日と最適なスケジュールを立てます。

業務改善策の実施

立てた計画を実行します。

効果を確認

実施した後には必ず、効果を検証します。そして目標に達するまで改善のPDCAを回さなければなりません。

成功事例の分析

業務改善の成功事例は、どの業界でも見つけることができます。成功事例を分析することで、どのような手法やアプローチが有効であるかを理解し、自社の業務改善に応用することができます。以下に、成功事例の分析方法を紹介します。

成功の要因を洗い出す

まず、成功事例を分析するにあたって、その成功の要因を洗い出すことが重要です。成功事例における業務改善の手法やアプローチを分析し、その成功要因を明確にすることで、自社における業務改善に応用するためのヒントを得ることができます。

例えば、ある企業が業務改善を成功させた場合、その要因は従業員の参加や改善のプロセスの明確化など様々な要素があるかもしれません。これらの要因を洗い出すことで、同じような改善を実現するためのヒントを得ることができます。

問題解決のプロセスを明確化する

成功事例を分析する上で、問題解決のプロセスを明確化することが重要です。成功事例における問題解決のプロセスを分析し、どのような手法やアプローチが採用されたかを明確にすることで、自社の問題解決に応用することができます。

例えば、ある企業が業務改善を成功させた場合、その成功のプロセスを明確化することで、自社においても同じような問題解決のプロセスを構築することができます。

継続的な改善を促す仕組みを作る

成功事例を分析する上で、継続的な改善を促す仕組みを作ることが重要です。成功事例における継続的な改善を促す仕組みを分析し、その仕組みを自社に応用することで、継続的な改善を促すことができます。

例えば、ある企業が業務改善を成功させた場合、その継続的な改善を促す仕組みがあるかもしれません。この仕組みを分析し、自社に応用することで自社を継続的に大きく成長させることができます。

問題点の洗い出し

成功事例を分析する際には、どのような問題があったかを洗い出すことが重要です。成功事例になった背景には、必ずしも問題がなかったわけではありません。そのため、どのような問題があったかを明確にし、それに対する解決策がどのように実現されたかを分析します。

成功事例の再現性の検証

成功事例を分析する際には、その事例が自社にも適用可能かどうかを検証することが必要です。自社に適用可能かどうかを検証することで、実際に業務改善を実施する際のヒントを得ることができます。

実践への展開

分析結果を踏まえ、実際に業務改善を実践することが最終的な目的です。成功事例を分析することで、自社の業務改善に役立つアイデアを得ることができます。ただし、実践には計画的な段取りが必要です。改善すべき業務プロセスを明確にし、具体的なアクションプランを策定することが重要です。

業務改善のアイデアや成功事例を分析することは、業務プロセスの改善に役立ちます。ただし、その前提として、計画的かつ継続的な取り組みが必要であることを忘れてはなりません。業務改善の取り組みを進める上で、注意点や成功事例を活用することで、効果的な業務プロセス改善を実現することができます。

業務改善提案の注意点、成功のポイント

せっかく業務改善に取り組む以上は、効果をあげ、目標を達成したいものです。成功するためのポイントと注意点を解説します。

「何について」効率化を行うか明確にする

何をどうしたいかがわからなければ、改善のしようがありません。まずは「何を」改善したいのかを明確にしましょう。ここで大切なのは、改善する部分を絞ることです。すべての業務を効率化しようとすると、実現には膨大な時間やコストが必要になり現実的ではありません。まずは効率化したい項目を決めましょう。それにより、どうしたいか、何をするべきかが見えてきます。

極端なこだわりは捨てる

業務が非効率化する一因として、業務に対し完璧や高過ぎるクオリティを求めているケースが往々にしてあります。こだわりが強くなり、作業に遅れが出ている場合などは、完璧や但しさではなく、依頼者の目的達成や利益（コストパフォーマンスやリスク管理）が優先するということを周知する必要があります。また「こだわりをなくす＝手を抜く」ではないことも理解が必要です。

従業員への影響を考慮する

個々の適正や従業員の幸福度を度外視し、業務の効率化を短期的な数字の面だけで考えると、良い結果を生まないことがあります。効率化することで社員にもたらす影響や、その対策についても配慮が必要です。実際に働く人をカバーすることも大切です。

すべてのアイデアを一気に実行しない

場合によっては多くのアイデアが集まるかもしれません。これらを全て改善すれば業務効率化間違いなし、と言いたいところですが、一気に実行することは実は非効率です。なぜなら企業のリソースは一定で限度があるからです。1つのアイデアを100%の力で実行すると、効果的に改善できますが、10のアイデアを10%ずつ実行すると、なかなか達成しません。一度に多くのことを実行すればそれぞれが中途半端となる可能性があります。小さな改善が積み重なって大きな成果に繋がることもあります。現実的な改善を進めましょう。

ミスはフィードバックとして活用する

ミスは許されないという考え方は非常に危険です。仕事をしていく上で、ミスは必ず起こります。重要なのは、起きたミスをどのように処理するか、そしてどのように今後に繋げるかということです。一番やってはいけないことはミスの隠ぺいですが、往々にして「報告できない」「報告したくない」状況で、ミスが繰り返されたり大きな損害に繋がります。起こったミスを正直に報告し、分析、原因、対応、情報共有といった面に目が向けられる職場環境、企業風土を育むことが大切です。