ヒトに求められる能力やスキルが高まり、人材育成が今後5〜10年で最大の課題になると考えている企業が増えています。しかしながら、人材マネジメントを行うマネージャーの育成が優先課題ではないかと考えざるを得ないのが現状です。ヒトの能力はそんなに急に大幅に変わらないのに、求められるものは増える。このような状態で、チームマネジメントのツール活用は不可欠です。単にツールを導入しただけでは、使いこなせているとは言えません。本記事では、本当におすすめのマネジメントツールについての最新情報をお届けします。この記事でわかることは次のとおりです。
- チームマネジメントツールにはどのような種類のものがあるのか
- おすすめのチームマネジメントツール
チームマネジメントツールとは
チームマネジメントツールには2種類あります。
プロジェクト管理ツール
チームでプロジェクトに取り組む際に、誰が何を担当していて、どこまで進捗しているかわからないことがあります。また、あるファイルがどこに格納されているかという情報が共有されていないといった問題も起こります。そのような非効率性を防ぐためのツールがプロジェクト管理ツールで、次のような役割があります。
- 情報をリアルタイムで共有
- データの格納先を集約
人材マネジメントツール
もう一つのチームマネジメントツールが、人材マネジメントツールです。人材マネジメントツールは、人事部向けのタレントマネジメントツールと現場向けのピープルマネジメントツールがあります。
タレントマネジメントツール:入退社の推移、人員配置など組織全体を管理するツール
ピープルマネジメントツール:日報、フィードバックなど、管理職とメンバー、またはメンバー同士の円滑なコミュニケーションと、人事制度・目標設定を関連づけるツール
マネジメントツールの選び方
ここでは効率的な業務管理や課題解決に役立つマネジメントツールの選び方について紹介します。ビジネスニーズの明確化や機能の評価・比較、互換性・連携性の確認、ユーザーレビューの参考、コストとコスト効果の評価など、重要なポイントを解説します。適切なツール選びは効率化や業績向上に大きく影響するため、読者が最適なマネジメントツールを見つける手助けをします。
ビジネスニーズの明確化
ビジネスニーズの明確化は、組織やチームが直面する課題や目標を具体化し、必要な機能や要件を明確にするプロセスです。これにより、マネジメントツールの選択基準や優先順位を設定することができます。ビジネスニーズの明確化には、ステークホルダーとのコミュニケーションや要件定義のワークショップ、現状分析などが含まれます。また、組織の戦略や目標との整合性を確認し、将来の成長や変化にも対応できる柔軟性を考慮する必要があります。ビジネスニーズが明確になることで、マネジメントツールの選択において的確な判断を行い、組織の業務効率化や成果の最大化に繋げることができます。
機能の評価と比較
機能の評価と比較は、異なるマネジメントツールの機能や機能セットを評価し、最適な選択肢を特定するプロセスです。まず、ビジネスニーズに基づいて必要な機能を明確化し、それらの機能を満たすかどうかを評価します。また、各ツールの機能の優先順位や重要度を考慮し、ビジネスニーズとの整合性を確認します。さらに、異なるツールの機能を比較し、価格、使いやすさ、拡張性などの観点から利点や制約を評価します。重要なのは、組織のニーズに合致する機能を持ち、導入・運用の負荷を最小限に抑えるツールを選ぶことです。機能の評価と比較を適切に行うことで、組織のマネジメントニーズに最も適したツールを選択し、効果的な業務管理を実現することができます。
互換性と連携性の確認
マネジメントツールの選択において重要な要素の一つは、互換性と連携性の確認です。互換性は、選んだツールが既存のシステムやデータとスムーズに連携できるかどうかを意味します。それには、データ形式やプラットフォームの互換性を確認する必要があります。また、ツールが他のシステムとのAPI連携やデータのインポート・エクスポート機能を提供しているかも確認します。連携性は、異なるツールやアプリケーションとの連携がスムーズに行えるかどうかを指します。例えば、プロジェクト管理ツールがメッセージングツールやドキュメント共有ツールと連携できるかどうかを確認します。互換性と連携性が確保されていることで、複数のツールを効果的に組み合わせて業務プロセスを最適化することができます。
ユーザーレビューと評判の確認
マネジメントツールを選ぶ際に重要な要素の一つは、ユーザーレビューや評判の確認です。他のユーザーの意見や体験を参考にすることで、ツールの実際の使い勝手や機能性を把握することができます。ユーザーレビューサイトやソーシャルメディア上のコメントをチェックし、ツールの利点や欠点についての情報を収集しましょう。ただし、個別の意見や評価にばかり依存せず、一貫性のある評判や幅広いユーザーの声を考慮することが重要です。また、ユーザーレビューを通じて、ツールのカスタマーサポートやアフターサービスの品質についても確認しましょう。ユーザーレビューや評判の情報を総合的に評価することで、自分のニーズや要件に合った最適なマネジメントツールを選ぶことができます。
コストとコスト効果の評価
マネジメントツールを選ぶ際には、コストとコスト効果の評価が重要です。まず、ツールの価格だけでなく、導入や運用にかかる追加費用や維持費など、総合的なコストを考慮する必要があります。また、コスト効果を評価するためには、ツールが提供する機能や機能の適切さ、効率化や生産性向上への寄与などを考えることが重要です。ツールがビジネスプロセスを改善し、結果として経費削減や効率化を実現できるかどうかを検討しましょう。また、長期的な視点でのコスト効果も考慮し、ツールの将来的な拡張性やアップデートの可能性を確認しましょう。総合的なコストとコスト効果の評価を行うことで、予算内で最適なマネジメントツールを選択することができます。
チームマネジメントツールを上手く活用するには
チームマネジメントツールを上手に活用するには、管理職やマネージャーがメンバーに対し、目標と課題を明確にして伝える必要があります。どうなりたいのか、何が課題なのか、誰が何をするのか、こういったことをしっかり丁寧に説明し、メンバーの納得を得なければ、ツールを導入しても成果につながらず、むしろ「余計な仕事が増えた」とメンバーのフラストレーションを生みかねません。
またツールが、社員、特に管理職やマネージャーにとって管理しやすいものであることも大切です。ツールは、仕事を効率的にするためのものであり、業務が増えて、作業時間が増えたり、抜けや洩れが増えるようでは本末転倒です。そしてメンバーにとっても扱いやすいツールである必要があります。メンバーは主に、計画表(To Doリスト)、コミュニケーション、進捗管理(スケジュール)といった機能を自分のために使用します。ですからシンプルなツールが望ましいです。詳細な管理ができるからという理由で工数を多く設定すると、日々の業務に追われているメンバーからは不評を買います。
おすすめのチームマネジメントツール
ここからはおすすめのチームマネジメントツールを、その特徴や詳細まで解説します。
プロジェクト管理のおすすめツール7選
- Asana
- Redmine
- クラウドログ
- backlog
- Project Director
- Trello
- clarizen
Asana
- 特徴:世界中で使用されている。視覚的にわかりやすいデザイン。
- 長所:初期費用0円から始められる。数値目標を入れられる。タスクごと、担当者ごとのタスク進捗まで管理できる。
Redmine
- 特徴:世界中で使用されている。ガントチャートやWikiなど、プロジェクト管理には欠かせないツールが簡単に作成できる。
- 長所:全ての機能が無料。使用法を説明しているサイトがたくさんある。オープンソースなので、エンジニアには非常に使いやすい。
クラウドログ
- 特徴:シンプルで使いやすい。Googleカレンダーと連携して工数を管理できる。
- 長所:使いやすくスムーズに現場へ浸透できる。損益や経費精算といった数字にも強い。
backlog
- 特徴:ガントチャートや課題管理がすぐ作れる。バグ管理やバージョン管理までできる。
- 長所:初期費用0円、月額費用:2,640円(税込)〜でありながら、プロジェクト経験がなくても、基本的なプロジェクトの進め方が分かる。
Project Director
- 特徴:サービス業の営業や販売部門向け。
- 長所:案件の見込み、受注後の手配、進捗、計上、そして原価、工数まで一律管理できます。
Trello
- 特徴:効率的なコラボレーションを促進して短時間で多数のタスクを完了させる。
- 長所:タスクの管理だけでなく登録も自動化でき、ルーティンワークの簡略化が可能。ワークフローの追跡やガントチャート作成など多機能性。
clarizen
- 特徴:短期間で複数のプロジェクトを同時並行で進めている場合に、最適。
- 長所:導入にあたって複雑な設定やアプリのインストールが必要ない。プロジェクトの進捗状況だけでなく予算といったリソース管理もできる。
人材マネジメント(タレントマネジメント)のおすすめツール2選
- HRBrain
- saireco
HRBrain
- 特徴:人事評価・人材育成および配置・人材データ管理・組織分析など人事の課題をトータルサポート。
- 長所:異動希望のヒアリング、エンゲージメント調査など現場の状況を可視化するシステムを多数搭載。人事評価のフィードバックや賞与面談に使えるレポーティング機能も充実。
sai*reco(サイレコ)
- 特徴:人事評価・人材育成および配置・人材データ管理・組織分析など人事の課題をトータルサポート。
- 長所:異動希望のヒアリング、エンゲージメント調査など現場の状況を可視化するシステムを多数搭載。人事評価のフィードバックや賞与面談に使えるレポーティング機能も充実。
saireco
- 特徴:組織人事の情報蓄積・活用に役立つHRオートフォーメーションシステム。
- 長所:意思決定の属人化を予防し、最適かつスピーディーに人事情報を処理。また、定型業務の自動化を進めルーティンワークから脱却するなど、人材の効率活用も可能。
人材マネジメント(チームマネジメント)のおすすめツール6選
- Co:TEAM
- HiManager
- Wistant
- Goalous
- Kakeai
- gamba!
Co:TEAM
- 特徴:日常のコミュニケーションを重視。
- 長所:目標、評価、1on1、フィードバックを重視し、現場のニーズに合う。
HiManager
- 特徴:行動が見える化され、お互いに賞賛を送り合う。メンバーの状態を質問で把握する。
- 長所:自社の人事評価制度に合わせてカスタマイズできる。
Wistant
- 特徴:マネージャーの状態の可視化。メンバーが自分のマイボードを作りセルフマネジメント。
- 長所:自己成長を促す。
Goalous
- 特徴:メンバー同士のコミュニケーションを活発にし、エンゲージメントを高めることを重視。
Kakeai
- 特徴:1on1に特化。事前の部下への質問で、何を期待しているかを明らかにし、管理職のマネジメントスキルの差を埋める。
- 長所:部下の期待や要望を知ることで、管理職が適切に対応できる。
gamba!
- 特徴:社内SNS型アプリで、メインは日報機能。KPIによる目標管理機能やチャット機能もある。
- 長所:SNS感覚で気軽に日報が入力できる。目標管理機能との連携で、モチベーションアップ。
ナレッジマネジメントのおすすめツール2選
- Confluence
- Qast
Confluence
- 特徴:ナレッジを集約して共同作業するためのワークスペース。
- 長所:リモートワークなど離れた場所にいる人同士が情報共有に使える。会議をしながら議事録を作成できる。アイデアやフィードバックも気軽に共有できる。
Qast
- 特徴:組織全体の生産性向上やナレッジの定着を目的に使える。
- 長所:ナレッジ経営を実践するために必要な機能を全て搭載。ナレッジコンサルタントによる定着支援が充実。
スキル管理ツール
- スキルナビ
- スキルノート
スキルナビ
- 特徴:圧倒的なコストパフォーマンス。
- 長所:採用・育成・評価・活用の全てを可視化できる。導入費用は完全無料。初期設定は全て選任のカスタマーサポートチームがしてくれる。
スキルノート
- 特徴:製造業・建設工事業などで選ばれている。社員のスキル・教育訓練・資格・力量を一元管理。
- 長所:現場ごとに異なるスキルレベルを可視化できる。スキルマップを作成して業務効率化できる。計画的な人材配置・育成だけでなく、品質トラブルや法令違反リスクも低減できる。
エンゲージメント管理ツール TUNAG
- 特徴:メンバーについて知るプロフィール機能/メンバーの今について知るタイムライン機能/会社の文化や方針を知る社内制度があり、チームメンバー情報を可視化・共有できる。
- 長所:メンバーが会社のことや他のメンバーについて理解を深められる。設計できる社内制度の種類は無限大。
業務改善プラットフォーム kintone
- 特徴:自社に合わせたアプリの設計・追加。
- 長所:自社の業務やチームに合わせたアプリ作成。運営からの手厚いサポート。膨大なデータの一括管理。
まとめ
人材育成を効率的に行うには、管理職やマネージャーがチームマネジメントツールを上手に活用することが重要です。自社や自部門に合ったチームマネジメントツールを選ぶことが大切ですが、そこで忘れてはならないのが、管理職やマネージャーである自分たちにとって、そしてメンバーにとっても、使いやすいものであるべきだということです。
この記事でわかることは次のとおりです。
- チームマネジメントツールにはどのような種類のものがあるのか
- おすすめのチームマネジメントツール
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