業務効率化を目指し業務改善に取り組んでいる企業、あるいは業務改善に取り組み業務効率化を図っている企業はたくさんあります。少子高齢化に伴う人手不足、グローバル化、テレワーク・リモートワークの導入、働き方改革の推進など、企業が生き残っていくためには、効率の良さがますます厳しく求められるでしょう。しかし、業務効率化は多くの時間と労力を必要とするだけでなく、いざ取り組み始めても「うまくいかない」「どうすれば成功するのか」「何をすれば良いのか」と課題が絶えないものです。そんな、業務効率化に煮詰まっている方の助けとなる業務改善のコツ、ポイント、成功事例などのアイデアを紹介します。この記事でわかることは次のとおりです。
- 業務改善とは
- 業務効率化のメリット
- 業務効率化の進め方
- 業務を改善するアイデア
- 役立つツール
業務改善とは
業務を効率化するために、仕事の中から、「ムリ、ムダ、ムラ」を見つけ省き業務のプロセスを改善することを業務改善といいます。その方法には色々なものがあり、色々あるからこそ自社や自部門の課題にとって何が効果的か迷うのだと思います。大規模な業務改善としてはITツールの導入やRPAによる自動化、社外へのアウトソーシングなどがあります。小さな業務改善としては、会議時間の短縮、PC操作時のショートカットキー使用、業務マニュアル作成などがあります。
業務改善して業務を効率化するとどのようなメリットがあるのか
業務改善の効果は主に3つあります。
時間的なコスト削減
「ムリ・ムダ・ムラ」を省くことで作業にかかる時間が減ります。そうすれば残業時間などの人件費を削減できます。残業時間の軽減は企業にとっての金銭的コスト面だけでなく、従業員にとっても働きやすい環境になる、身体的な負担が軽減するといったメリットがあります。
従業員のモチベーション向上
労働時間短縮と働きやすさを実現できれば、従業員のモチベーション向上も期待できます。これらは従業員の満足度や定着率の向上に繋がります。また昨今、政府が推進している「働き方改革」はまさにこの労働環境の改善を目的とした政策です。
利益増大
業務改善により生産性が向上し、さらに人的リソースの余裕によって新しい取り組みや事業に着手することもできるようになります。
業務効率化の進め方
業務効率化に取り組みたいが、業務改善をどのように進めればよいかわからないという企業や現場もあります。まずは業務効率化の流れを把握しておきましょう。経営コンサルなど外部の力を借りる方法もありますが、その場合でも、どのような流れで業務改善を行っていくのかを理解しておくことが、主体的で満足のいくプロジェクト推進のために重要です。
現状把握
まず現状の業務について把握するために、業務の棚卸しを行います。このときに、担当部署・担当者、作業にかかる工数、発生頻度、必要なスキルなどを整理しておきます。
課題の洗い出し
次に課題や問題点を洗い出します。例えば、複数の従業員が重複して行っている作業はムダではないか、一人の担当者以外はできない属人的な業務がないか、成果の割に時間がかかり過ぎている業務はないかといった点を探します。
計画策定
何を改善したいかが明確になったら、次は効率化する方法を考えます。重複している工程や不要な業務をなくす、作業工程の順番を見直す、アウトソーシングするといった方法があります。これらの業務効率化にいつから、誰が、どう取り組むのか。そしていつまでに、何を、どれくらい行うのか。実現性のある最適な予定を立てます。
業務改善策の実施
計画と予定に沿って業務改善策を実施します。
効果検証
業務改善を実施した後には必ず、どれくらいの効果があったか検証します。そして効果が見られない点や新たな課題について改善します。この改善のPDCAを継続的に回すことが必要です。
アイデアの実装と展開
業務改善とアイデアは、組織の成長や効率向上に不可欠な要素です。業務プロセスを改善し、新たなアイデアを導入する方法に焦点を当てます。効果的な業務改善手法やアイデアの発掘・評価・実装について解説し、組織の競争力を高めるための具体的な手順やベストプラクティスをご紹介します。
プロトタイピングとテスト
プロトタイピングとテストは、アイデアの実現性や効果を検証するための重要なステップです。プロトタイプは、アイデアを具体化し、実際の動作やデザインを確認するための仮のモデルです。テストでは、プロトタイプを実際に試してフィードバックを収集し、改善点や問題を特定します。このプロセスを通じて、アイデアの優れた要素を強化し、不足している部分を改善することができます。プロトタイピングとテストは、効果的なアイデアの実装と展開に欠かせない手法です。
プロジェクト管理とリソース
プロジェクト管理とリソースは、効率的な業務改善とアイデアの実装において重要な要素です。プロジェクト管理は、目標の設定、タスクのスケジューリング、進捗の監視など、プロジェクト全体を効果的に管理するための手法です。リソースは、人材、予算、設備、技術など、プロジェクトを遂行するために必要な資源です。リソースの適切な配置と管理により、プロジェクトのスムーズな進行と成果の最大化が実現できます。プロジェクト管理とリソースの適切な活用は、業務改善とアイデアの実現において不可欠な要素となります。
成果のモニタリングと評価
業務改善とアイデアの実装において、成果のモニタリングと評価は重要な要素です。モニタリングは、進捗や成果の定期的な監視を通じてプロジェクトの状況を把握し、問題や課題を早期に発見する役割を果たします。評価は、設定した目標や基準に基づいて成果を評価し、改善のためのフィードバックを提供します。適切な成果のモニタリングと評価は、業務改善とアイデアの効果の把握や次のステップの計画に役立ちます。
変革の推進と組織的な変更管理
変革の推進と組織的な変更管理は、業務改善とアイデアの実装において不可欠です。変革の推進は、組織の意識改革や文化の変革を促進し、新しいアイデアや方法の受容を促します。組織的な変更管理は、変革プロセスを計画的に実施し、関係者の参加やコミュニケーションを円滑に行うための枠組みです。変革の推進と組織的な変更管理は、業務改善とアイデアの実現を支え、組織の成果や競争力の向上につながります。
業務効率化や業務改善を促進するアイデア
業務効率化や業務改善を促進するアイデアは多くありますが、代表的なものは次のとおりです。
- ムダな業務をなくす
- 業務の優先順位をつける
- 業務フローチャートを作成する
- 業務を複数の段階に分割する
- マニュアルを作成する
- 業務担当者を変える(アウトソーシングを含む)
- 自動化ツールなどでスピードアップする
業務をなくす
今まで行っていた業務をなくすというのは、大胆に感じられるかもしれませんが、あくまでも「ムダな業務をなくす」という意味です。言い換えれば、必要ではないこと、なくても困らないこと、労力をかけているがなんの役にも立っていないことを指します。考え方としては「断捨離」に似ています。もしかしたらいつか使うことがあるかもしれない…がそれがいつかはわからない。そういった場合に「本当にこの業務は将来的に必要なのだろうか」、「このやり方でなくてはいけないのか」と考えながら篩にかけていくことが大切です。
業務の優先順位をつける
無駄な業務を省き残った業務に優先順位をつけます。これも業務効率化の基本です。このときに意識すべきは、スケジュール管理です。〆切を意識しながら、時間のかかる作業を先に予定に入れ、その隙間に短時間、少ない労力でできる作業を挟みこんでいきます。
業務フローチャートを作成する
業務フローチャートを作成しワークフローを可視化(見える化)すれば、業務内容、流れ、無駄な作業がわかりやすくなります。既に述べたように、重複タスクや不要タスクを最適化することは業務改善の基本ですから、複雑な業務フローを可視化することは、業務改善の第一歩として非常に効果的です。ここまでの3つのアイデアはまず取り入れてほしいものです。
業務を複数の段階に分割する
負担の大きい業務を一気に手がけると、他の業務に手が回らなくなります。ましてや一人の担当者がそのような状態になることは好ましくありません。人為的ミスや業務の属人化も起こりやすくなります。業務を分割し複数の工程に分けたり、対応する日時を分けることで、負荷を減らすことができます。
マニュアルを作成する
業務のやり方やルールをマニュアル化することも、業務効率化に非常に役立ちます。ここで気をつけなければならないのは、マニュアルは読み手のためのものであるということです。読み手が誰であっても、読みやすく、理解しやすいマニュアルが正解です。そのためには、書き手の既知の知識をただ書き連ねるのではなく、相手が業務未経験者であっても理解できるよう、図や画像を活用するなどの工夫が望まれます。
業務担当者を変える(アウトソーシングを含む)
複数の部署で同じような業務をしている場合、どちらかの部署にその業務を統合することができます。また属人化したり非効率化している作業を思い切って別の担当者に振るという方法も考えられます。その究極の方法がアウトソーシングです。企業の人的リソースは限られています。コア事業、秘匿性の高い業務などは社内で行い、手間の割にアウトプットにつながらない必須業務などはアウトソーシングに任せるというのも戦略的な業務改善です。
自動化ツールなどでスピードアップする
作業スケジュールを見直したり、研修などで人材育成をしても、作業のスピードアップには限界があります。ムリなスピードアップ要求は従業員のモチベーションの低下や過剰な負担になります。しかしながら、業務効率化を助ける自動化ツールや情報を一元管理できるデータベースなどの導入で、大幅に改善することが可能です。特にデータ抽出のように単純な反復作業は、エクセルマクロや、RPAツールやVBAなどによる自動化、効率化がおすすめです。
業務効率化に役立つツール
ツールをうまく活用すれば、業務効率化に大きな効果があります。業務効率化ツールにはさまざまなものがありますが、選ぶ際のポイントは主に次の2つです。
- 現状の課題を解決できるツールであること
- その組織にとってITリテラシーの面で使いこなしやすいものであること
上記で言及したいくつかのツールについて解説します。
オンラインストレージサービス
「Google Drive」や「Drop Box」のようなオンラインストレージサービスを利用すれば、任意のメンバー間でデータの共有や同期ができます。複数のメンバーでいちいちデータを共有する手間が省けます。Google DriveやDrop Boxは無料で使うことができます。容量の大きいデータや機密性の高いデータを取り扱う場合は有料版の利用が適しているでしょう。
RPA
ロボットによって各種業務を自動化できます。
オンライン会議サービス
リモートワークが進む中、「Zoom」、「GoogleMeet」、「Teams」といったオンライン会議やセミナーを行えるツールも、多くの企業で活用されています。集合型の研修や本社会議などにかけていた費用や移動時間の削減もできます。
勤怠管理ツール
出退勤の打刻や従業員の給与計算などが行える勤怠管理ツールは、人事や労務担当の集計作業の負担を軽減します。
クラウド型マニュアルサービス
マニュアルを作成する作業は大きな負担です。しかしクラウド型マニュアルサービスを活用すれば、時間や場所を問わず必要なマニュアルを作成、修正、閲覧できる上に、マニュアルのテンプレートが用意されているため、簡単に作成できます。
まとめ
今回は業務改善のアイデアを紹介しました。この記事に書かれているアイデアやツールをうまく活用すれば、業務改善に初めて取り組む場合でも成功しやすくなるでしょう。
この記事でわかることは次のとおりです。
- 業務改善とは
- 業務効率化のメリット
- 業務効率化の進め方
- 業務を改善するアイデア
- 役立つツール
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