広告指標の事例とKPI設定方法

インターネットでの広告は今やマーケティングに欠かせない要素です。インターネット広告(マーケティング)を行うと、その効果として様々なデータが入ってきます。そのデータを分析し活用すれば、さらにマーケティングの効果を高めていくことが可能です。しかしデータの種類が多いため、うまく活用できないというケースも散見されます。広告マーケティングを効率的に行うには、代表的な広告指標を理解し、広告戦略におけるKPI設定についても学ぶ必要があります。この記事ではその第一歩として、基礎知識を広く解説します。

この記事でわかることは次のとおりです。

  • 代表的な広告指標
             
  • 広告KPIを設定するときの注意点
目次

代表的な広告指標

Google、Yahooプロモーション、Facebookなど、主要な広告媒体の管理画面にアクセスした経験がおありの方はご存じでしょうが、そこにはいくつもの広告指標があります。初めて管理画面にアクセスした時はその種類の多さに戸惑うでしょう。しかし、最初はここでご紹介する代表的な広告指標を順に理解していけば大丈夫ですので、ご安心ください。

認知効果に対する代表的な広告指標

認知効果というのは、わかりやすくいうと自社の広告がどれだけのユーザーに見てもらえたかということです。広告の目的の第一歩は、自社の商品・サービス、もしくはブランドを知ってもらう、つまり認知度向上です広告の表示回数が多いほど、多くのユーザーに見てもらえたということになり、広告投資の効果があったと評価できます。代表的な広告指標名は次のとおりです。

  • インプレッション数(Imp):広告の表示回数
             
  • リーチ(Reach):広告表示されたユーザー数
             
  • インプレッション単価(CPM:Cost Per Mille):広告表示1,000回あたりの広告費

誘導効果に対する代表的な広告指標

誘導効果と認知効果の違いは、誘導効果は商品、サービス、ブランドの理解促進やサイト(LP)への誘導が目的だということです。広告表示に対し、どれだけクリック数を得られているかによってこう、広告投資の効果を判断するのは同じです。代表的な広告指標は次のとおりです。

  • クリック数(Click):広告がクリックされた数
             
  • クリック率(CTR:Click Through Rate):広告表示に対して広告がクリックされた確率
             
  • クリック単価(CPC:Cost Per Clock):広告クリック1回あたりの広告費

併せて、サイト側にアクセス解析ツールやヒートマップツールを実装し、サイト訪問時のユーザーの行動分析することもポイントです。これによって分析の質が高まり、広告最適化や広告戦略立案の改善が期待できます。

獲得効果に対する代表的な広告指標

獲得効果とは、広告の最終目的である商品・サービスの販売や資料請求・会員登録が成立することを指します。広告のクリック数に対して成果(コンバージョン)をどれだけ獲得できたかという指標が、広告投資の効果となります。代表的な広告指標は次のとおりです。

  • コンバージョン数(CV:Conversion):成果の獲得数
             
  • コンバージョン率(CVR:Conversion Rate):広告のクリック数に対する成果獲得の確率
  • コンバージョン値(Conversion Value):成果獲得によって得られた売上金額
             
  • 顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition):1件の成果獲得(顧客獲得)にかかった広告費
             
  • 広告費用対効果(ROAS:Return On Advertising Spend):広告費に対して得られた売上金額の割合

上記の広告指標を改善したい場合、広告クリエイティブの改善であれば広告管理画面から、サイト(LP)の改善であればGoogle Optimizeなどを利用して、ABテストを実施します。ABテストとは、バナー、広告文、WEBサイトなどを最適化するためのテストです。特定要素を変更したAパターン、Bパターンを作成、ランダムにユーザーに表示し、成果を比較します。これによって、より効果的なパターンを見つけることができるというものです。

CPAとROASの使い分け

現実には、広告配信の目的はこの「獲得」であることが圧倒的に多いです。「認知」や「誘導」は短期的な利益に繋がらないため予算の余裕が必要であり、一部の企業以外にとっては実施が困難だからです。そこでよく使われるCPAROASについて、その違いを解説します。

  • CPA / CPO:コンバージョンによって得られる価値が単一の場合に用いる。例えば、単一商品の販売のみ、資料請求の促進のみ、会員登録の促進のみなど。
             
  • ROAS:コンバージョンによって得られる価値が複数の場合に用いる。例えば、複数の商品の販売、資料請求や会員登録といったユーザーからの複数の反応を狙った広告施策を実施している場合。

商品の種類が1種類かどうかではなく、あくまで計測対象のコンバージョンの価値が単一か複数かで使い分ける点に注意しましょう。

その他の重要な広告指標

広告は一度作成して配信したら放置ではいけません。定期的に広告配信結果を分析し、分析結果をもとに広告を改善して最適化します。ここでKPI(重要業績評価指標)の考え方や手法が有用です。その際、「伸びしろが大きく、より多くの効果が望める点に調整を加える」ことも重要です。その「伸びしろ」を判断するのも、勘ではなく指標によります。次の広告指標がそれに該当します。

  • インプレッションシェア(Impresion Share):広告表示機会に対して実際に広告表示された割合
             
  • インプレッションシェア損失率(Lost Impression Share Rate):広告表示機会に対して広告表示されなかった割合

広告は新規顧客獲得に有効な手段です。直近の成果だけでなく、伸びしろも重視していくことで、長期的視点に立った利益を創出できます。

広告におけるKPI設定のポイント

ここまでで広告マーケティングと、具体的数値指標であるKPIマネジメントとの相性の良さは、既に感じられると思います。中間目標であるKPIを設定するにあたり気をつけるべき点を解説します。

広告配信の目的(KGI)をまずはっきりさせる

KPIは中間指標ですから、新規事業立ち上げなどの場合と同じように、広告配信においても最終ゴールが必要です。広告配信においては、その目的を明確にさせることが必要です。「認知効果」「誘導効果」「獲得効果」のどれが目的の広告配信なのかをはっきりさせましょう。広告配信の目的を決めれば、確認すべき広告指標も絞り込まれます。

目的に直結し関連性の高い広告指標をKPIにする

KPIの成功法則であるSMARTの法則の一つであるRelevant(関連性)。これは広告指標でも重要です。目的の実現のためにKPIを設定するのですから、KPIを達成すれば、おのずから目的も達成できるようなKPIにする必要があります。目的と広告指標がちぐはぐにならないようにしましょう。

KPI・目標値の見直しについて

苦心して設定したKPIや目標値を運用開始後に見直す必要が出てくることがあります。これは何ら問題なく、状況に応じて柔軟に変えていくことが適切であれば、最初の設定内容に固執せず変更するべきです。どのようなときにKPIや目標値を見直すべきか、まとめました。

広告配信の目的が変わった

広告配信の目的は事業戦略によって決まります。新商品のリリース時や新プロジェクトの立ち上げ時であれば認知を狙った広告配信をするでしょう。売上が伸び悩んでいれば、獲得を目的とした広告配信をするでしょう。ビジネス環境は、市場(消費者)・競合・自社の3つによって影響を受け変わります。1ヶ月前に立案した事業戦略が来月には通用しなくなることもあり得ます。その場合KPIや目標値もそれに合わせて変えていかなければなりません。

KPI・目標値が不適切であった

SMARTの法則に乗っ取った適切なKPIを設定すれば、KPIの達成により目的の実現は近づいてくるはずです。しかし、「目的とKPIが密接に関連していない」といった不適切な状態で広告配信を開始してしまうケースもあります。KPI・目標値の設定が不適切だと判明したら、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を無駄にしているということですから、早急に適切なKPI・目標値に変更しなければなりません。

KPIが達成できない

KPI達成が遅々として進まない場合、何らかの理由があります。可能性としては、適切な広告最適化が行われていないか、KPIの目標値が厳しすぎることが考えられます。まず広告最適化をどんどん実施し、実施し、なおKPIの目標値達成率が改善しないのであれば、KPI・目標値の見直しを行う必要があります。

まとめ

インターネット広告の成果として様々な広告配信データを収集することができます。しかしその数値は絶えず変動しており、しかも数多くの種類があるため、完全にすべてを把握することは困難です。自社の広告配信の目的に関連した指標をKPIとしてしっかり設定し、それに目標を定めて広告配信することが、成功のカギですKPIマネジメント、KPIロジックツリーを用いて、課題や問題は論理的に分解し、目標数値を一段階ずつクリアしていくことで解決できます。、今この瞬間に問題が起こっているのか否かを瞬時に判断できるようになります。そして、問題が起こっているか否かさえ分かれば、あとは問題が起こっている時にKPIを要素分解して課題を特定・解決していくだけです。インターネット上のWEB広告の運用において、広告に関するKPI設定は欠かせません

この記事でわかることは次のとおりです。

  • 代表的な広告指標
             
  • 広告KPIを設定するときの注意点
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