起業アイデアの見つけ方、起業の第一歩となるビジネスアイデアの考え方を完全解説

起業するときにまず必要になるのが、①起業アイデア(ビジネスアイデア)と②ビジネスモデルです。今回は、①の起業アイデアについて解説します。「起業したいがアイデアが浮かばない」と立往生している方の多くは、起業するには、まだ誰も始めていない独創的なビジネスアイデアが不可欠だと考えているのではないでしょうか。結論から申し上げると、誰も思いつかなかったような独創的で斬新なビジネスアイデアは、起業の必要条件ではありません。起業アイデアの見つけ方とまとめ方さえわかれば、誰にでもいくつかのビジネスプランが立てられます。この記事では、次の点についてお話します。

  • 起業アイデアの見つけ方
  • 起業アイデアをまとめてビジネスプランに落とし込む方法
  • 成功した企業アイデアの事例
  • 起業アイデアを考える時に重要な視点
目次

成功する起業アイデア、ビジネスアイデアの出し方とまとめ方

何より大切なことは、今、貴方が考えている起業アイデアが今後の貴方の人生、仕事、会社のビジネス内容、規模、将来といった重要なこと全てを決めると自覚することです。まずは考えられる限りのアイデアを書き出し、その中でどのアイデアなら勝てるかを徹底的に考えます。成長分野か、自分の資金力・知識・経験・アイデアは競争に勝ち残れるか、実現性などを精査し、原案に追加したり変更を加えながら、取捨選択し、ビジネスプランに落とし込みます。

成功する起業アイデアの見つけ方

まず最初に知っておいて欲しいことがあります。それはアイデアのヒントは私たちの日常に存在するということです。これまで世の中になかった、完全に新しい商品やサービスを考えなければならない、いわば新発見をしなければ起業できないと考えてしまうと、非常にハードルが高くなってしまいますが、世の中のビジネスアイデアのほとんどは、【既存のアイデアやサービスを組み合わせたり改良したものに過ぎない】のです。

既存の商品やサービスの中から、価値あるものを探す

世の中に既にある商品やサービスを見て、売れているものや今後伸びていきそうなジャンルを見定めるのも起業の一つの方法です。売れているものには理由があります。長く支持されているものには、それだけの価値と需要と、「他の企業が超えられない何か」があるはずです。既存の商品やサービスを改良したり、異なる技術や性能を組み合わせたり、新しい市場を開拓することも立派なビジネスプランです。今や、ほとんどの人が持っているスマートフォンは、携帯とパソコンの技術を組み合わせて作られました。スマホが登場する前、どれだけの人が「家電がなくスマホがあるのが普通」な時代がくると予想できたでしょう。

世の中のニーズを探る、不足を埋める

自分の脳内からアイデアを生み出そうとせず、世の中のニーズを探る方法もあります。顧客なくしてビジネスなし。今は社会が非常に多様化し、ニーズも多様化しています。今、どんな人が何を求めているのか、どんな商品やサービスがあればいいと思っているのか、何に困っているのか。メディア、SNS、ネット、人の会話…色々なところにビジネスアイデアは転がっています。もちろん自分自身の「こんなものやサービスがあればいいのに」というニーズや「ここを改善して欲しい」という不満を起業アイデアの一つにすることも可能です。今では珍しくも何ともなくなったネットスーパーですが、かつては「毎日、食料品の買い出しにスーパーに行くことが当たり前」であり、「先週選んだ品物について、今週注文用紙を出し、来週受け取る」生協くらいしか、フルタイムで働く主婦は利用できなかったのです。「いや、大変だよね…」と感じる気持ちが、大きなビジネスチャンスを生みます。

好きなことで起業する

「好きなことを仕事にする」「好きなことで飯を食う」というと、「考えが甘い」「贅沢な理想だ」という批判もありますが、むしろ「好きでもないことに、寝食を忘れて取り組めるのか」「好きでもないことを一生の仕事にできるのか」というのが真実ではないでしょうか。貴方が本当に好きなことは、貴方の強みです。一つでなくて構いません。好きだと思えることを書き出してみてそれを追及するのも手でしょう。例えばラーメンが好きで、週に2度はラーメンを食べている、美味しいラーメンがあると聞けば行ってみるという人は、何もラーメン屋を開業するだけが起業アイデアではありません。

  • ラーメン店の情報サイト
  • フードライター
  • 人気ラーメン店とコラボしたインスタントラーメンの商品化

行列ができるラーメン店があるなら、近くにコインパーキングを開業することも、並びたくない人、忙しい人のために代わりに並ぶサービスもあり得るかもしれません。

好きなことを仕事にできると、モチベーションが高まる、飽きがこない、困難な時にも頑張れるというメリットがあると同時に、次のようなデメリットもあることだけは理解しておきましょう。

【好きなことで起業するデメリット】

  • こだわりが強くなりやすく、ビジネスチャンスとして適当かどうかの判断が鈍りやすい。
  • 〇〇愛が強過ぎて、顧客の意見に耳を傾ける姿勢が弱くなることがある。
  • 趣味やプライベートで楽しむのと、利益のために仕事にするのとでは、全く違うと感じる人もいる。

得意なことで起業する

これまでに経験してきた仕事、活動、趣味、得意なことをできるだけ多く書き出し、その中からヒントを探すのは起業アイデアの見つけ方として王道です。起業家に「起業してよかったこと」を調査すると、2割の起業家が「自分の趣味や特技を活かせた」と回答しています。料理が得意で料理研究家になり、レシピ本やレシピの配信をビジネスにしている人や、整理整頓スキルを活かし片づけコンサルタントとして成功した「こんまり」こと近藤麻理恵さんのような起業家もいます。

セミナーでビジネスヒントを探す

これから起業したいと考えている人は、起業に関するセミナー、コワーキングスペースイベントなどへ参加することが非常に役立ちます。ビジネスパートナーや先輩起業者とのつながりができ、また起業アイデアのヒントを得ることができます。自分ひとりのアイデアには限界がありますが、他の人のアイデア、知恵、経験談に振れることで、今まで思いつかなかったアイデアが生まれたり、別の視点で自分の起業アイデアを見ることができます。また商工会議所や支援センターなど起業支援を行う公的施設では、無料または安価で、起業相談、イベント、セミナーなどを催していますので、積極的に活用すると良いでしょう。

SNSやアプリも活用

社交性に自信がなく、知らない人と出会う異業種交流会やセミナーの類は苦手という方でも、こんな方法なら採り入れやすいのではないでしょうか。まずひとつめはSNSです。SNSで起業を目指す人のコミュニティに参加すれば、直接対面で会わなくても上記のセミナーのような効果を得ることができます。また「StartDash」のようにアイデアの見つけ方のトレーニング講座が無料で受講できる事業化支援Webアプリも存在します。何とも素晴らしい時代になったものです。

成功する起業アイデアのまとめ方

起業アイデアはできるだけたくさん出し、その中で検討し、取捨選択し、まとめあげていくのが、起業アイデアをビジネスプランに落とし込む流れです。では、起業アイデアがたくさん生まれたところで、今度はそのまとめ方を理解しましょう。

書き出す

まずは思いついたアイデアをメモなどに書き出します。この段階では、質や中身に拘らず、とにかく数を出します。文章化(あるいはイラスト化)することで、ぼんやりとしたイメージjが具体的になり、問題点も見えてきます。

そしてある程度数が集まったら、よく似たアイデアをまとめグループにします。別のアイデアを組み合わせることで、実現性が高くなったり、新しい展開が生まれる可能性があります

かけあわせや対象範囲の限定など、アイデアを動かす

世界で始めての特許は消しゴム付鉛筆です。このように、何かと何かを組み合わせることは、起業アイデアにおいて重要です。商品に限定せず、柔軟に組み合わせやかけあわせを考えてみましょう。ある人から聞いた起業アイデアなのですが、介護施設や病院と託児所のコラボビジネスというものがありました。働きたいが子どもを預ける先がない、職歴がないため働けないというお母さんたちに、介護や医療の現場で働き資格を取ってもらう代わりに、心置きなく安心して託児できるようにするという企業理念でした。

反対に、ターゲットを限定する方法もあります。例として、飽和状態だった缶コーヒー業界でヒットしたのが「朝専用コーヒー」です。コーヒーを朝飲みたい人が多いことに着目し、ブランド戦略を練ったことで大ヒットしました。売れるためには、皆に受け入れられようとしてしまいがちですが、反対にターゲットを狭くとることでビジネスが成功することもあります

3つの要素の明確化

起業アイデアの出し方でお話したように、起業アイデアの相当数は「誰かの問題を解決すること」から生まれます。そのような場合、3つの要素が明確でなければなりません。

誰の(顧客像、ペルソナ)

どのような問題を

どのように解決するか

この部分がしっかり確定していると、商品化やプロモーションがしやすくなります。

類似の商品やサービスがあるか、競合について調べる

類似の商品・サービスがすでに存在することにはメリットとデメリットがあります。メリットは、間違いなく顧客ニーズがあるということです。デメリットは、まったく同じものを作ってしまい、競争に負けることです。デメリットを防ぐには、次の2点が必要です。

競合相手についての調査

自分のアイデアの優位な点は、何か(価格、サービス、機能、立地など)

顧客目線に立ち、自分のビジネスを差別化することが大事です。

成功した企業のアイデア例

ライザップ
衝撃的で印象的なCMを打ちまくり、ダイエット業界で有名になったライザップ。現在では健康食品や美顔器など様々な事業を拡大させています。ライザップの「結果重視型パーソナルトレーニングジム」というビジネスモデルに辿り着いた理由としては高校時代に付き合っていた彼女とのダイエット経験です。彼女は自身を磨くために食事制限やランニングを続けて、2か月で23㎏も痩せました。3か月間ぐらい毎日電話して、いわばカウンセリンもしていたそうです。この成功体験からビジネスアイデアを生み出し、健康食品から始まり現在のライザップのビジネスモデルを確立させました。

LINE
LINEは、東日本大震災発生時に大切な人と連絡がとりづらかった経験から、「こういう時にこそ大切な人と連絡を取ることができるサービスが必要だ」という想いの元、スマートフォンで大切な人とつながるコミュニケーションアプリとして誕生しました。災害などの緊急時、いざという時に大切な人と早く確実に連絡をとる手段だけではなく、現在では日常生活で活用する連絡手段としてほとんどの人が利用するアプリになっています。

ドン・キホーテ
ドン・キホーテはお客さまの勘違いから生まれたビジネスモデルです。閉店後に安田氏が一人で商品整理をしていると、お客さんがやってきました。店内は狭いので、シャッターを開けたまま商品を路上に積み上げ、照明もつけっぱなしで作業をやっていたので、まだ営業していると勘違いしたらしいです。夜遅くの買い物需要があること、そして商品の詰め込み陳列はお客に親近感があるということに気づきました。それが今のドン・キホーテの販売スタイルが確立された理由です。

成功するビジネスアイデアのポイント

成功するビジネスアイデアを作り上げるには、いくつかの看過できない狙いどころがあります。これらの起業アイデアに必要な視点をしっかり抑えられれば、成功の確率が大幅にアップするでしょう

  1. ペルソナとチャネルを決める:誰にどの販売経路で販売するのか。直売か代理店販売かECサイトか、また企業向けのBtoBか、一般消費者向けのBtoCか、さらに買い切りか継続購入かなどでもビジネスモデルが異なります。また、どのような商品やサービスも市場のニーズにマッチングし、ターゲットとした顧客層の興味を引かなければ、売れません。そのために、顧客層へのヒアリングや競合他社の商品との比較を行い、差別化を行っていく必要があります
  2. 資金計画:事業において資金調達や資金繰りの見込み違いや失敗は、致命的なダメージになりかねません。いつまでにどれくらいの売上になりそうか、仕入れや生産方法、コストなど現実的で実現可能な予測を立てる必要があります。また設備費、人件費、税なども見落としてはいけません。これらの計算が不安な場合は、税理士など専門家の力を借りるのも賢明です。創業間もない企業が倒産する原因で最も多いのは、資金繰りの問題です。資金調達の方法と、資金繰りが思うようにいかなかった時の代替策についても考えておく必要があります。
  3. 競合の少ないニッチなビジネスを狙う。通常、ビジネスでは、より多くの人に買って貰おうとします。ですが敢えて、ターゲットの総数は少なくても必ず売れるものや継続的に売れるものを作るというスタンスもあります。流動的な1万人の顧客より、コアな100人のファンを作るという戦略です。
  4. 海外で既に流行っていて、まだ日本には上陸していないビジネスモデルを探す。既に成功しているビジネスモデルをまねるので、1からアイデアを作る必要がありません。
  5. 常に客観的な視点を持つ。主観的な視点で起業を行うと失敗する確率が高くなります。消費者の目線で判断する、周りの人に見てもらい意見をもらう、ビジネスコンテストに参加し客観的評価を得る、SNSなどでユーザーの声を拾う、競合のリサーチを怠らないことが有効です。
  6. ビジネスプランは柔軟に変更・修正する。目的や目標の達成は大切ですが、拘り過ぎると変化に対応できなくなります。市場やニーズの変化は非常に激しく、臨機応変に軌道修正する必要があります。創業から〇〇一筋、同じやり方というようなビジネスモデルのほうが稀なのです。
  7. マーケティング知識をつけ、高い集客力と営業力を維持する。
  8. 自分自身が好きなことで体力的にも続けられるビジネスモデルを選ぶ。
  9. 資本が小さい事業からスタートする、副業からはじめて徐々に規模を大きくするなど、低リスク、ノーリスク起業についても考える。

低リスク、ノーリスク起業の例

  • インターネットビジネス(アフィリエイト、広告収入)
  • デジタル制作物の制作代行
  • 修理ビジネス
  • せどり(商品を安く仕入れメルカリやネット上で販売すること)
  • 家事や作業の代行サービス

まとめ

今回の記事では、起業の第一歩となる「起業アイデアの出し方」の段階で、思い浮かばない、まとまらないと悩んでいる方のために、次の点について解説しました。

  • 起業アイデアの見つけ方
  • 起業アイデアをまとめてビジネスプランに落とし込む方法
  • 起業アイデアを考える時に重要な視点
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