【新規事業を成功に導くために〜新規事業営業戦略の立て方〜】

いざ新規事業を立ち上げてみて、これから営業活動を始めようと考えている人の中には、「新規事業の営業活動はどのように行えばいいのか」「今までと同じ営業スタイルで大丈夫なのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

新規・既存にかかわらず、いかに良い商品やサービスを抱えていたとしても、そのターゲットやコンセプトにあった営業活動を行わなければ、期待した成果を得ることは難しいでしょう。しかも、新規事業となれば、企業側としても手探りな部分もあるので、営業手法や方針はより結果に大きく関わってきます。

本記事では、新規事業の営業活動について解説していきます。入念な営業戦略を立てて、新規事業を成功に導きましょう。

■新規事業営業で直面しやすい6つの課題

—新規事業の営業方法について考える前に、まずは新規事業営業で直面しやすい課題について解説します。課題を知り事前の準備に役立ててください。

■新規事業営業戦略を立てる上で踏むべき4つのステップ

—実際に営業活動を行う前には入念な戦略を立てることが必要です。ここでは、営業戦略を立てる上で注意したいポイントを4つご紹介します。

■新規事業営業戦略を立てる上で実践したい4つのフレームワーク

—営業戦略を立てる中で「フレームワーク」を行うと計画もより立てやすくなります。ここでは、新規事業営業戦略を立てる際に実践したいフレームワークを4つご紹介します。

■まとめ

目次

新規事業営業で直面しやすい6つの課題

まずは、新規事業営業で直面しやすい課題を6つご紹介します。起こりうる課題を想定しておくことで、事前に営業戦略を立てる上で役立つことでしょう。

営業メンバーの不足

新規事業の場合、まずは人手を事業戦略に回すケースが多いため、営業担当まで人員を割くことができないことがあります。利益の目処が立つまでは、なかなか人員を増やすことは難しいものです。

また、新規事業の場合は既存事業の営業とはまったく違うスキルや経験が求められるケースも多いため、社内から即戦力を見つけるのも難しいでしょう。

営業担当の育成に時間がかかる

新規事業において、新たな人材の育成は非常に重要です。即戦力となる経験を持つ人材が多くいれば、その分育成にかかる時間は少なくなりますが、そのような人材を多く集めることは容易ではないでしょう。

特に、新規事業の立ち上げの際には、予算も少なく人件費にあまりコストを割けれないため、経験の浅い人材が必要になることもあります。そのため、人材にかける時間やコストというものがどうしても課題の一つになってくるのです。

営業のプロセスが曖昧

営業活動は、しっかりとプロセスが確立された上で行うことが重要です。もし営業担当個人個人に依存してしまえば、それぞれのスキルや経験によってばらつきが生まれてしまい、一人ひとりのプロセスが把握できず、あまり成果が出ないということも考えられます。

人材の数が限られていたり、経験の浅い人材がほとんどという場合には、このプロセスの確立がより重要になってくるでしょう。

ニーズの調査不足

新規事業の立ち上げ時に重要なことの一つが、事前のニーズ調査です。市場調査に始まり、競合他社との相対的な比較などを行うことによって、自社のサービスや製品の弱みや強みについてより深く理解することができます。それらを把握することができれば、同時に自社がどのようなニーズに応えることができるのかも見えてくるはずです。

このようなニーズ調査が不足している場合、営業活動でもどの部分を自社の強みとして押し出していけば良いのかわからないという問題に直面してしまうことがあるのです。

ターゲットが絞り切れていない

顧客ターゲットを絞ることは、新規・既存にかかわらず事業を行っていく上で重要です。しかし、ターゲットを外してしまうことを恐れるあまり、ターゲット層を必要以上に広くしてしまうことがあります。

ところが、ターゲットをあまりに広げてしまうと、サポートなどでカバーし切れなくなり、結局顧客満足度を下げてしまうということになりかねません。

もちろん、ターゲットが絞り切れていなければ、その分営業活動の効率も悪くなってしまうので、自社のサービスに合わせてターゲット層を整理した上で営業活動に臨みましょう。

広告に予算を割けない

新規事業の場合、過去に前例のない新サービスを打ち出すことも少なくないでしょう。したがって、営業や広告に関してどれほどの予算を掛ければ成果が出るのか予測するのが難しくなります。

広告活動は成果に直結する大切な要素ですので、少額な予算でどれほどの成果を出すことができるのか、事前にしっかりとシュミレーションし、予算の使い道を明確にしておくようにしましょう。

新規事業営業戦略を立てる上で踏むべき4つのステップ

ここでは、営業戦略を踏むべき基本的な4つのステップについて解説します。ここで基本的な営業戦略の立て方を把握しておきましょう。

市場調査を行う

新規事業を立ち上げる際に、すでに市場調査は行っていることかと思いますが、営業を活動を行う上でも市場調査は欠かせない作業です。

対象となる市場を調査せずに営業戦略を立ててしまえば、市場が現在抱えている課題なども把握できず、かなり的外れな戦略が出来上がってしまう危険があります。

市場調査はその市場の規模にかかわらず徹底的に行うことが重要です。市場調査を行えば、自社と他社との差別化や、競合が解決できないが自社で解決できる課題なども見えやすくなり、営業活動にも大きく役立つことになります。

自社と他社のポジショニング分析を行う

市場調査を行ったら、次に自社の現状分析を行います。その際、定番として使いやすいのがSWOT分析です。

現在の営業状況を、内部環境を外部環境、マイナス面とプラス面の4つに分けて分析を行います。たとえば、内部環境であれば、人材の確保が進んでいるか、営業ツールなどに関してになります。外部環境は、競合他社の動きや、今後その市場で考えられるリスクなどです。

このような分析が行えていないと、問題点や課題を明確にすることができず、競合と似たような課題を抱えてしまったり、二番煎じのサービスを売り出すことになってしまうかもしれません。市場で自社のポジションを確立するためにも、ポジショニング分析は必ず行うようにしましょう。

分析した課題の解決策を考える

課題を分析したからには、その課題をどのように解決していくのかを考える必要があります。市場においては、課題は解決してこそ意味があるのです。

だからこそ、課題が多かったとしてもネガティブに捉えるのではなく、次に進むために必要なものと捉えるようにしましょう。むしろ、明確に課題を浮き彫りにできているということは非常にポジティブなことでもあるのです。

浮き彫りになった課題の解決策ですが、まずは課題と逆のことを想定してみましょう。たとえば、人員が足りないのであれば、あまりコストを掛けることなく人材を確保できる方法はないか考えてみましょう。

もちろん、状況やモノによっては対策をしないというケースも考えられます。

いずれにせよ、課題や問題点に対する解決策を提示するためには、自社の分析をしっかりと行っておくことが大前提となります。

KPI設定とPDCA

上記までのステップを終えたら、最後にKPI設定をしPDCAを回していきます。新規事業では数値目標の設定も難しいかもしれませんが、まずは下限と上限の数値設定をして、実際の営業活動を行います。その上で、目標数値と結果に大きな隔たりがあるのであれば、原因の分析を行います。

また、目標設定で気をつけなければいけないのは、あまりいくつも目標を掲げないということです。目標が多すぎると、社内の意思統一が難しくなり、優先順位も曖昧になってしまいます。目標の数は多くても2〜3個にしておきましょう。

PDCAを行う中で、たとえば営業のトークスクリプトが精査されていくなど、より営業活動に必要な情報も精査されていくことでしょう。

新規事業営業戦略を立てる上で実践したい4つのフレームワーク

ここでは、営業戦略を立てるのがよりスムーズになるフレームワークを4つご紹介します。営業の「枠組み」をしっかり作っていれば、より説得力のある提案もできるようになるでしょう。

4P分析

4Pとは、「Pruduct(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」それぞれの4つの単語の頭文字からきています。どのような製品を、どれくらいの価格で、どのような流通やプロモーションで売り出していくのが最適なのかを分析し、明確にします。

3C分析

3Cとは、「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3つの単語の頭文字です。ターゲットの顧客層を明確にして、競合と自社の違いを分析して、自社にしかない強みを浮き彫りにします。

SWOT分析

すでに本記事でも触れたのが「SWOT分析」です。これは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字からきています。自社の強みだけでなく弱みも含めて分析を行います。そして、市場におけるトレンドや状況との関係性も含めて総合的に分析を行うことで、自社の市場での立ち位置をより明確に把握します。

PEST分析

「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの単語からきているのが「PEST分析」です。中・長期的に事業を考えた際に、これらが要因となって起こりうるリスクなどを事前にシュミレーションする分析方法です。

時代が変化しやすい今日だからこそ、今まで以上に将来を予測し備えておくことは重要なことだといえます。

まとめ

新規事業営業を成功に導くために大切なのは、徹底的な「自社分析」「市場分析」です。これらの分析を相対的に行うことで、自社にしかない強みを浮き彫りにすることができ、その市場でどのように戦うことができるのかを把握することができます。

結果として、ニーズに合った顧客とマッチすることができ、営業活動においても成果を出すことができるでしょう。もちろん、営業スキル自体も大切なことではありますが、事前の分析が勝負を分けると言っても過言ではないのです。

みなさんも、ぜひこの記事を新規事業営業の戦略立てに役立てていただければと思います。

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