事業計画書を練る上で売上予測を立てる上で、算出方法がわからない!と困ったことはないでしょうか?
売上予測は基本的な知識が備わっていないと考えにくい部分であるため、
本記事では分かりやすく売上を立てる考え方や作り方をご説明します。
これから事業計画書を作成する、売上予測を立てることを考えている方はぜひ参考にして、予測を立ててみましょう。
売上予測とは?
売上予測とは、市場動向、成長率を過去のデータをもとに、今後の売り上げを予測することをいいます。
「いつ」、「どれくらい」売上を獲得できるのか見込みを立てることにより、
人材、在庫、資金のヒト、モノ、カネをどこに割けばいいのか考えることができます。
また、銀行から融資を受ける際などに活用する場合があります。
例えば、融資を受ける際に事業計画書を作成します。
その際に、事業計画書で一番重要なのが収支の計画ですが、その中でも重要なのが売上予測です。
そのため、売上予測を立てることにより、説得力のある事業計画書を立てることで、より周りに納得してもらえるような環境を作っていきましょう。
売上予測を立てる前に考えること
算出方法をご紹介する前にまず考えるべきことをご紹介します。
売上予測をする場合は工程が多いため、まずウォーミングアップとして、基礎知識を身につけましょう
必要な売上高を把握する
売上予測を立てる条件としてまず、最低限の売上を確保しないといけないことを覚えておきましょう。
必要最低限の売上高とは損益分岐点を参考にして考えてみましょう。
損益分岐点とは利益がちょうど0になる売上のことです
(0)損益分岐点=売上高-(固定費+変動費)
事前に毎月かかる固定費、変動費を把握することで損益分岐点がいくらぐらいになるのか計算してみましょう。
また、損益分岐点を理解することでどこにリソースを分配しているのか再確認することができます。
売上とは?
売上とは大きくいうと
売上 = 客単価 × 客数
先ほどの損益分岐点を理解することで、必要な売上を上げるためには客単価をいくらにすれば良いか、客数を何人にすれば良いか具体的なKPIを立てることができます。
KPIとは業務のパフォーマンスを具体的に計測するために設定する指標
業種別の算出方法
算出する上で重要なポイントは業界やビジネスモデルによっても方法が変わります。
例えば、飲食店の場合ですと、回転数、客単価などが重要になってきますが、Saasのサービスなどですと
顧客満足度や継続力なども重要な一つの要素となっています。
そのため今自社で考えているビジネスは一番何を重要視するべきなのか、優先順位をつけて考えることも重要です。
売上予測では主に数字でしか見れない部分があります。そのため、数字だけでは表すことのできないこのようなポイントを押さえてみましょう。
売上予測の立て方
それでは本記事の最重要テーマである、売上予測の立て方についてご紹介します。
ちなみに復習をすると、売上予測とは、市場動向、成長率を過去のデータをもとに、今後の売り上げを予測することをいいます。
そのため、リソースをどこに割けばいいのか、どのような計画だと銀行からの融資を得ることができるのか知ることができます。
売上予測算定方法について検討する
売上予測を立てる方法は主に2つあります。
- トップダウン→市場の大きさと自社のシェアの割合から計算する方法
- ボトムアップ→顧客の動向を考慮して計算する方法
新規事業では既存のデータが少ない場合が多く、市場の規模で考えるトップダウンの方が計算が行いやす傾向にあります。
ですが、この方法だと、大まかな内容で具体性がないというデメリットがあります。
加えて、データを用いた計算方法だと、仮定の要素が強くなってしまったからこそ起きる不一致が発生してしまう可能性もあります。
一方ボトムアップを活用して、顧客の動向を追いながら計算する方法では、データを集めることができれば精度の高い予測を立てることに繋がります。ですが、現状ではなかなか新規事業であるためデータが集まらないということが起きています。
そのため、売上予測を立てるベストな方法としては、出せる部分はボトムアップを活用し、足りない部分はトップダウンを活用することでより多方面からアプローチすることでより、精度の高い算定を出すことに繋がります。
予測期間を決める
次に予測期間を決めましょう。これは、主に銀行から融資を受ける際に必要になる部分ですが、銀行からの融資を検討していない方も重要な知識ですのでしっかりと押さえておきましょう。
予測期間に明確な決まりはありませんが、
一般的には、3年間の年次売上と初年度の月次売上は、最低限必要となっています。
また、返済計画を練る際は売上計画をもとに考えていく必要がありますので、
まず融資を考えている方は、融資担当の方に聞いてみましょう。
融資を考えていない方でも
どれだけの期間でどれくらいの売上が出ていたのかアベレージを計算することによりより精度の高い予測を立てることができます。
また、融資を考えていない方は、黒字化までの年数で考えてみても良いでしょう。
一般的には1年以内に黒字化に成功することがベストです。
ですが、業種によっては結果が出るまでに時間が必要な場合がありますのでその場合はその都度、考えていく必要があります。
業種や地域差を加味して算出方法を決定
先ほども申し上げたように算出方法は、考えているビジネスモデルや業界によっても変わります。
ですが主には以下のポイントが共通しています。
売上 = 単価 × 客数
そのため、以下の例を参考にどのような算出方法があるのかみてみましょう。
小売業の場合
小売業の計算式は以下のようになります。
1㎡(1坪)当たりの売上高 × 売り場面積
小売業では家賃がかかる場合が多いため、売り場面積をメインとして考えていく必要があります。
飲食店
飲食店の場合は以下のようになります。
客単価 × 席数 × 回転数
検討しているビジネスモデルによ理、計算方法は違いますが、一番最初にご紹介したように売上の基本を押さえておくことで
考えるヒントになるでしょう。
必要なデータ・情報収集
売上予測を立てる際にはデータを活用することが多くなるでしょう。
ですが、自社には必要なデータがないという場合もあります。そのため、以下のデータを収集してみましょう。
- 業界の平均値
- 競合企業の売上等データ
- 公的な統計データ
- 現場での実地調査の結果
- アンケート調査の結果
アンケートをとることで、より自社にあった売上予測を立てることができます。
また、アンケートをとることが難しい、足りないデータがあまりにも多すぎるという場合は調査機関に依頼することも考えてみましょう。
そうすることで、銀行からも融資を受けやすくなるというメリットがあります。
損益分岐点と売上予測を実際に計算
データが揃ったら今度は実際に売上予測を立てていきましょう。
まず最初に条件を洗い出します。今回参考にするのは以下の条件です。飲食店の場合をご紹介します。
- 客単価 1000円/月間25日稼働
- 座席数 座席数25席
- 回転数 5回
この場合の計算式は
売上予測=1000円×座席数25席×5回×25日
という計算式となる。これは月での売り上げとなるため、必要な年数分の計算を行うと良いでしょう。
新規事業の場合は、売上の成長率を過剰に見込んでしまう場合があるため、適切なデータや計算をすることで、
信憑性の高い売上予測を立ててみましょう。
売上予測に即した必要資金の算定
必要資金の算定は銀行から融資を受けるときのみならず、社内で企画立案をして会社に納得してもらうためにも重要な項目です。
そのため、以下のポイントを押さえることで必要資金の算定に役立ててみましょう。
- 根拠に基づいた信憑性のあるデータ
- 実現性のある売上予測
- 市場性のある優れたサービス、商品
- プレゼンテーション力
上記のポイントを押さえることで、アイディアが通りやすくなる可能性が高まります。
また、銀行で融資を考えている方は、自己資金の残高を確認する必要があります。
一般的に見ると、自己資金の3倍以上の融資は受けにくい場合があります。ですが、上記のポイントを押さえることで
必要な額の融資にチャレンジしてみましょう。
売上予測を立てる上で注意する点
これまでは売上予測を立てる方法を解説してきましたが、ここでは売上予測を立てる上での注意点を理解することで、ついついやってしまいがちなミスを防ぎましょう。
根拠となるデータがない
トップダウン、ボトムアップでもご紹介しましたが、根拠となるデータがない場合は自分の主観的な意見で事業を見てしましがちです。
そのため、市場規模、自社でのデータなどの根拠となるデータをもとに考えることで、より精密な予測を立てることに繋がります。
売上がサービス、プロダクトごとに分かれていない
これは、複数のサービスを開発している場合にあることなのですが、売上予測が合算で数えられてしまっていることがあります。
ですが、サービスごとに性質や市場の特徴、客数、単価は異なるため、この場合は売上予測を立てる爪があまいと言えます。
そのため、個別に根拠のあるデータを活用することで、客観的に判断しやすい売上予測を立ててみましょう。
新規事業売上予測まとめ
本記事では以下のことについて解説しました。振り返ってみましょう。
- 売上予測とは?
- 売上予測を立てる前に必要な基礎知識
- 売上予測の立て方
- 売上予測を立てる上で注意する点
- 新規事業売上予測まとめ
今回は、売上予測の方法について解説しました。売上予測を立てることで事業計画がより精密になり、銀行からの融資が受けやすくなるというメリットがあげられましね。また、売上予測を立てることでどれくらいの利益を上げる必要があるのか、
また、どこにリソースを割くことが重要なのか知ることができました。
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